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2013年消化器癌シンポジウムで消化器癌研究の新たな進展報告

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2013年消化器癌シンポジウムで消化器癌研究の新たな進展報告

米国臨床腫瘍学会(ASCO)

バージニア州アレクサンドリア2013年1月22日、2013年1月24日から26日にカリフォルニア州サンフランシスコのMoscone West Buildingで開催される第10回消化器癌年次シンポジウムに先立って、消化器癌の治療および予後に関する新たな研究結果が発表された。

 

本日のPresscast(インターネット生放送によるメディア向け記者会見)では、次の重要な5試験が取り上げられた

•  「S-1による術後補助化学療法は膵癌の再発を減少させ、患者の生存期間を延長させる」
日本で実施された第3相臨床試験の中間結果は、術後に化学療法薬であるS-1投与を受けたステージI~IIIの膵腺癌患者では、ゲムシタビン投与を受けた患者と比較して死亡リスクが44%低いことを示している。S-1は米国ではまだ承認されていないが、アジアおよび欧州諸国の一部では承認されている。
•  「大腸癌の分子学的分類システムは患者に個別の治療法を選択する際の指標となるかもしれない」
研究者らは患者の癌組織における遺伝子発現パターンを基に3種類の特徴的な大腸癌サブタイプを発見した。この発見は、患者ごとに術後補助化学療法の必要性の有無を判断し、最適な治療法を決定するための新たな分子学的検査法の開発に結びつく可能性がある。
• 「イマチニブ療法後の手術は消化管間質腫瘍(GIST)患者の生存率を著しく改善する」
イマチニブ療法後の残存癌切除術の有益性を検証する後ろ向き研究が新たに実施された。イマチニブ投与後に手術を施行した患者では、イマチニブ療法のみの患者と比較して死亡リスクが5.5倍低く、無増悪生存期間が約4年長かった。
• 「血中循環腫瘍細胞の遺伝子発現プロファイリングは膵癌患者の新たな予後診断法として有望」
この研究では、病巣から血中に脱落した膵癌細胞の遺伝子発現プロファイリングにより、複数の治療法に対する反応性や抵抗性に関連した遺伝子変異が明らかになった。この新しいプロファイリング法は、特定の化学療法に患者が反応するかどうかを予測するのに役立つ可能性がある。
• 「ドセタキセルによる2次治療は治療抵抗性食道癌または胃癌の患者の生存率を改善」
1次治療後に食道癌または胃癌の増悪が認められた患者では、ドセタキセルによる2次治療を施行した場合には積極的な対症療法(放射線療法ならびにステロイド療法および支持療法のいずれかまたは両方)を施行した場合と比較して生存期間が約50%長いことが第3相試験により示された。ドセタキセルは既に上記のようなケースで使用されているが、本試験によってドセタキセルによる2次治療が生存率を改善するという確かな証拠が示された。

 

「消化器癌患者の生存率向上に向けた研究成果が次々に得られており、患者の治療法を選択・個別化する際に腫瘍の分子学的特性をどのように利用したらよいかが明らかになってきています」とPresscastの司会を務めたNeal J. Meropol医師は語る。「今回のシンポジウムでは、極めて治療困難で致死的な癌に対する生存期間を延長させる治療法に関する新しい研究結果や、腫瘍分類および予後に関する新たな知見が明らかになるでしょう」。

 

消化器癌には大腸癌、胃癌、膵癌、食道癌、小腸癌、肛門癌およびその他の消化器の癌が含まれる。2012年には米国で約285,000人が消化器癌の診断を受け、142,000人を超える患者が消化器癌により死亡するであろうと推定されている。1

 

原文掲載日

翻訳佐々木真理

監修野長瀬祥兼(研修医/社会保険紀南病院)

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