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Tremelimumabは肝臓癌治療に有望

*いくつかの症例において全身腫瘍組織量の減少と疾患の安定化が見られた。

*Tremelimumab(トレメリムマブ)はC型肝炎ウィルスの血中濃度も減少させた。

 

3月31日から4月4日にシカゴで開催された2012年米国癌学会年会(AACR Annual Meeting 2012)において発表されたデータによると、Tremelimumabによる治療は12ヶ月以上の慢性C型肝炎に起因する進行性肝細胞癌の患者を安定化させた。

 

研究では、21人の患者に対し、15mg/kg用量のtremelimumabの静注投与による治療を90日ごとに約2サイクル行い、その評価を行なった。2人の患者において全身腫瘍組織量が減少し、11人の患者において疾患が1年以上安定化した。

 

「(肝細胞癌やC型肝炎感染の)特有の症状により、抗腫瘍効果や確定診断されたウィルス抗原に対する免疫応答を測定することが可能になり、一石二鳥であった」とスペインPamplona、Universidad de NavarraのEl Centro de Investigación Médica Aplicadaにおける腫瘍科の医長であり、教授かつ主任研究員でもあるIgnacio Melero医学博士は述べた。

 

本研究のintention-to-treat解析により、全生存期間の中央値が7.5か月、無増悪期間の中央値が6.4か月であることが確認された。患者の80%において治療に関連した有害事象が報告され、その内、グレード3以上の有害事象としては、かゆみ(掻痒症)が1件、紫斑が1件、トランスアミナーゼの上昇が5件含まれていた。

 

Melero氏らは、患者の血中におけるC型肝炎ウィルスの減少と、それに伴う抗ウイルス免疫の客観的な増強も確認した。

 

「すでに臨床効果を示した一連の少数の患者において、これらの試験を延長する必要性の明確な兆候が示されている」とMelero氏は述べた。「そのような少ない患者数で臨床効果の明確な徴候を見極めるのはまれであり、抗ウィルス活性に関する情報も非常に有望である」。 

 

本研究はファイザー社によるサポートを受けており、tremelimumabはMedImmune社にライセンス供与されている。Melero氏はブリストル・マイヤーズスクイブ社のコンサルタントである。

 

AACRについて

米国癌学会(AACR)は1907年に設立された、癌研究の促進や癌予防・治療のための使命に精力をささげる、最も大規模かつ世界で初めての専門組織である。

AACRの会員には、世界90ヶ国以上に在住の基礎・トランスレーショナル・臨床の研究者、人口動態の研究者、その他の保健医療の専門家、癌患者の支援者など34000人が含まれている。

AACRは癌の予防、生物学、診断、治療の発展を促進するために、年に20回以上の学術集会や教育セミナーを開催し、癌コミュニティの全領域の専門知識を集めている。その中の最も大きな会がAACR Annual Meetingであり、18000人以上が参加する。

さらに、AACRは癌サバイバー、癌患者やその介護者のための7つの査読付き学術雑誌を発行している。AACRは賞賛に値する研究に対し、直接的にあるいは多数の癌団体と協力して資金を提供している。

Stand Up To Cancerの科学的パートナーとして、AACRは患者の利益につながる可能性がある個人または団体の癌研究のための科学研究助成金に対し、専門家による評価、その管理や厳正な監視を行っている。AACRは癌から命を守ることにつながる癌研究や関連する生物医学科学の価値について、国会議員や政策立案者と積極的にコミュニケーションを取り合っている。

 

翻訳下野龍太郎

監修大野 智(腫瘍免疫/早稲田大学・東京女子医科大学)

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