一部の転移性腎臓癌患者で完全奏効を示す分子標的薬 | 海外がん医療情報リファレンス

一部の転移性腎臓癌患者で完全奏効を示す分子標的薬

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

一部の転移性腎臓癌患者で完全奏効を示す分子標的薬

キャンサーコンサルタンツ

一部の転移性腎臓癌患者は、スーテント(スニチニブ)あるいはネクサバール (ソラフェニブ)での治療後、完全奏効(検出可能な癌の完全消失)を示した。しかしながら、研究者らは、どの患者群が完全奏効を示す可能性が最も高いかを予測することは不可能である。これらの研究結果は、Journal of Clinical Oncology誌に掲載された。

 

米国では、毎年58000人以上が腎臓癌と診断されている。腎細胞癌は腎臓癌の最も一般的な型である。

 

転移性腎細胞癌(体の他の部分に転移した癌)を持つ人々にとって、スーテントやネクサバールなどの標的療法は、治療において重要な役割を果たしうる。人々がこれらの治療で効果がみられる場合には、通常、部分奏効(検出可能な癌の縮小)である。完全奏効はあまり多くはないが、報告されている。

 

完全奏効の予測因子と転帰を調べるために、フランスおよびスイスの研究者らは、64人の転移性腎臓癌患者について検討した。すべての患者は、スーテントあるいはネクサバールによる治療により、完全奏効を示していた。薬剤は単独投与、または手術や放射線療法などの局所治療と併用された。

 

主な試験実施施設において、完全奏効は、スーテントやネクサバールで治療を受けたすべての患者の2%未満にすぎなかった。

  • 研究者らは、治療での完全奏効に関連する臨床的あるいは生物学的特性を識別し得なかった。したがって、どのような転移性腎臓癌患者が、スーテントまたはネクサバールで完全奏効する可能性が最も高いかを予測することはまだできていない。
  • 完全奏効した後、一部の患者群はスーテントまたはネクサバールによる治療を継続し、一部は継続しなかった。再発は両群(治療を継続した群と継続しなかった群)で生じた。対象患者が少数のため、継続的治療が再発の可能性を減少させるかどうかを判断することはできなかった。
  • 治療を中止した患者群では、8カ月間の経過観察後、半数よりわずかに多く(55%)の患者が、再発しなかった。

 

これらの研究結果は、スーテントまたはネクサバールで完全奏効した患者の経験を示している。一部の患者は、完全奏効後に再発したが、完全奏効後にスーテントまたはネクサバールを継続することが、再発のリスクを軽減するかどうかについては明らかになっていない。

 

参考文献:

Albiges L, Oudard S, Negrier S et al. Complete remission with tyrosine kinase inhibitors in renal cell carcinoma. Journal of Clinical Oncology. 2012;30:482-287.

 


  c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved.
These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein.
Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc.
本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。
Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

原文掲載日

翻訳伊藤実花

監修辻村信一(獣医学/農学博士、メディカルライター)

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

関連薬剤情報

一覧

週間ランキング

  1. 1乳がん化学療法後に起こりうる長期神経障害
  2. 2非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  3. 3BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  4. 4がんに対する標的光免疫療法の進展
  5. 5若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い
  6. 6「ケモブレイン」およびがん治療後の認知機能障害の理解
  7. 7コーヒーが、乳がん治療薬タモキシフェンの効果を高める...
  8. 8ルミナールA乳がんでは術後化学療法の効果は認められず
  9. 9HER2陽性進行乳癌治療に対する2種類の新診療ガイド...
  10. 10リンパ腫患者の余命は、診断後の無再発期間2年経過で通...

お勧め出版物

一覧

arrow_upward

ユーザー 病名 発信元種別 発信元名 治療法別 がんのケア がんの原因・がんリスク がん予防 基礎研究 医療・社会的トピック 注目キーワード別 薬剤情報名種別

女性のがん
消化器がん
泌尿器がん
肉腫
血液腫瘍
その他
民間機関
その他