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ビスモデギブのFDA承認

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ビスモデギブのFDA承認

商標名: Erivedge®

・手術または放射線療法で治療できない、成人の転移性または再発性の局所進行基底細胞癌の治療(2012/01/30)

臨床試験情報、安全性、投与量、薬物間の相互作用および禁忌などの全処方情報がFull prescribing information(英文)で参照できます。

2012年1月30日、米国食品医薬品局(FDA)は、手術後に再発した、あるいは手術や放射線療法の対象にならない転移性基底細胞癌または局所進行基底細胞癌の成人患者の治療薬に、ビスモデギブ(Erivedge®カプセル、Genentech社)を承認した。

104人を組み入れた単群並行コホート臨床試験で、有効性が立証された。患者は150mgのビスモデギブの投与を毎日受けた。保存記録またはベースライン時に採取した組織を中央で病理学的な検討を行い、96人で基底細胞癌(BCC)の診断が確認された。内訳は、転移性基底細胞癌(mBCC)33人、局所進行基底細胞癌(laBCC)63人であった。

BCCが確認された96人で、有効性を評価した。患者の年齢の中央値は62歳、61%は男性であり、97%はECOGパフォーマンス・ステータスが0または1であった。21%の患者はゴーリン症候群と診断された。66%の患者は局所進行性であり、34%は転移性であった。mBCCの患者のうち97%は治療歴があった。前治療としては、手術(97%)、放射線療法(58%)、全身療法(30%)があげられた。laBCCの患者のうち94%は治療歴があった。前治療としては、手術(89%)、放射線療法(27%)、全身/局所療法(11%)があげられた。

臨床試験の主要評価項目は客観的奏効率(ORR)とし、独立した審査機関が評価した。laBCCの腫瘍反応の評価は腫瘍サイズ、潰瘍の有無、局所病変部位の生検などによって行った。局所疾患の完全奏効の判定は、腫瘍生検でBCCの病理学的証拠が認められないこととした。mBCC患者における反応を評価するに当たっては固形がんの効果判定規準(RECIST)1.0版を用いた。

ORRは、mBCC患者で30.3%(95%CI: 15.6、48.2)、laBCC患者で42.9%(95%CI:30.5、56.0)であった。mBCC群の奏効はすべて部分奏効であった。laBCCの評価可能患者63人では、13人(20.6%)が完全奏効、14人(22.2%)が部分奏効であった。奏効期間の中央値は、mBCC患者で7.6カ月(95%CI:5.6、推定不能)、laBCC患者で7.6カ月(95%CI:5.6、9.7)であった。

laBCCまたはmBCCに対してビスモデギブによる単剤治療を受けた138人において安全性を評価した。10%を超える患者で発現した副作用は、筋痙縮、脱毛、味覚異常、体重減少、疲労、悪心、下痢、食欲減退、便秘、関節痛、嘔吐、味覚消失であった。臨床試験において、10人の閉経前女性のうち3人の患者に無月経が発現した。1%を超える患者で発現したGrade 3の副作用は、体重減少、疲労、筋痙縮、食欲減退であった。

医療従事者はビスモデギブ投与開始前に患者の妊娠の状態について確認すること。妊娠している女性に対しては、胚・胎児にリスクがあることを説明すべきであり、妊娠していない女性に対しては、ビスモデギブ治療中および、最終投与から7カ月の間は有効な避妊法を用いることを薦める。精液に含まれるビスモデギブへの胚・胎児の曝露を避けるために、男性の患者は、ビスモデギブ治療中および最終投与から2カ月の間は殺精子剤が入ったコンドームを用いる。医療提供者は妊娠中にビスモデギブを投与された全症例を(女性患者での直接曝露または男性患者の精液を介する曝露)Genentech社に報告すること。また、妊娠している患者は妊娠の結果に関する情報を収集するためにErivedge妊婦ファーマコビジランス・プログラムに参加するよう推奨する。

ビスモデギブは重要な胚発生過程のヘッジホッグ経路を抑制する。ラットを用いた生殖毒性試験の結果によると、器官形成期における高用量のビスモデギブの曝露は胚・胎児死亡をもたらし、ヒトの推奨用量で到達する曝露量で重度の先天性欠損症をもたらす。

ビスモデギブの推奨用量と投与方法は経口で1日150mgの連日投与であり、食事に関わらず投与できる。

この薬剤情報のサマリーは、FDA抗腫瘍薬製品室長のRichard Pazdur医師により作成されています。米国食品医薬品局(FDA)とは米国保健社会福祉省(HHS)の一部門で、新薬その他の製品の安全性と有効性を確保するための機関です。 (FDA:医薬品・医療機器の承認方法の理解(原文)を参照。
FDAの使命は、安全かつ有効な製品の迅速な市場流通を促し、流通後も継続的に製品の安全性を監視することによって、国民の健康を守り、推進することです。

原文掲載日

翻訳古谷 千恵

監修金田 澄子(薬学)

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免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

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