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高リスクの軟部肉腫患者には化学療法と標的温熱療法の併用が有効

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高リスクの軟部肉腫患者には化学療法と標的温熱療法の併用が有効

キャンサーコンサルタンツ

リスクの高い局所軟部腫瘍患者に対して、局所温熱療法(RHT)という技術が、化学療法の効果を高め、転帰を改善するという研究結果が最近発行されたLancet誌で報告された[1]。

 

この研究結果は、2009年9月22日に、ベルリン開催の欧州最大の癌学会、第15回欧州癌学会(ECCO)と第34回欧州臨床腫瘍学会(ESMO)の合同学会で初めて発表されたものである。[2]

軟部肉腫とは、骨、筋肉、腱、靱帯、脂肪、血管および線維組織などの結合支持組織を侵す癌である。肉腫は比較的頻度は低いが、小児や若年成人に発症する傾向がある。肉腫の主要な治療法は外科手術であるが、このような腫瘍の切除は困難なため、放射線療法や化学療法が併用されることが多い。この疾患の生存率は腫瘍の発生部位や大きさに左右される。また、リスクが高いと思われる患者は大体2年か3年以内に再発する。

 

局所温熱療法とは、電磁エネルギーを利用して腫瘍内とその周辺の組織を華氏104〜109度(40-42.8℃)で加熱する技術である。熱は癌細胞を死滅させ、また、温めることで血流が改善し癌細胞の感受性を高め、その結果、化学療法の効果を高めることになる。

 

この第3相試験では、再発や転移のリスクが高い局所進行軟部肉腫患者341人を、RHTと化学療法(ドキソルビシン、イフォスファミド、エトポシド)との併用群と化学療法単独群に無作為に割り付けた。どの患者も手術や放射線治療の前と後に化学療法を受けていた。

 

平均34カ月の経過観察期間後、局所進行がみられたのは、RHT併用群の患者56人に対して、化学療法単独群では76人であった。2年経過後、局所無増悪生存率はRHT併用群が76%に対して、化学療法単独群では61%であった。全奏効率はRHT併用群の28.8%に対して、化学療法単独群では12.7%であった。また疾患進行率はRHT併用群が6.8%に対して化学療法単独群では20.6%であったと研究者らは報告している。

 

温熱療法を併用することによって生じた副作用は、軽度から中等度の不快感が最も多く、重度の副作用として、疼痛7人、電極ボーラスによる圧迫8人、皮膚火傷1人が報告されている。また、白血球減少も温熱療法併用により多く見られた副作用である。さらに、温熱療法併用群で2人、化学療法単独群で1人の治療関連死を認めた。

 

研究者らは、標的温熱療法は、リスクが高い軟部肉腫患者に対して、全奏効率、増殖抑制期間、局所無増悪生存率および無病生存率を有意に改善するという結論を出した。

 

参考文献:

[1] Issels RD, Lindner LH, Verweij J, et al. Neo-adjuvant chemotherapy alone or with regional hyperthermia for localised high-risk soft-tissue sarcoma: a randomised phase 3 multicentre study. The Lancet. 2010. [Online publication ahead of print, April 29, 2010]
[2] Issels R, Lindner H, Wendtner CM, et al. Impact of regional hyperthermia (RHT) on response to neoadjuvant chemotherapy and survival of patients with high-risk soft-tissue sarcoma (HR-STS): Results of the randomized EORTC-ESHO intergroup trial (NCI-00003052). European Journal of Cancer Supplements, Vol. 7, No. 3, September 2009. Abstract 1 LBA.


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原文掲載日

翻訳多和郁恵

監修林 正樹(血液・腫瘍科)

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