ジェムザール(ゲムシタビン) /エロキサチン®とジェムザール®進行あるいは転移性膀胱癌に対する忍容可能な治療法

キャンサーコンサルタンツ
2006年6月

フランスの研究者らは,エロキサチン(オキサリプラチン)とジェムザール(ゲムシタビン)の併用は,進行または転移性膀胱癌に対する治療法として有効であるとともに忍容性も良好であり,プラチノールR(シスプラチン)を基本とする治療に耐えられないと考えられる患者への治療として検討すべきであると報告した。第II相試験の詳細はAnnals of Oncologyの2006年6月号に掲載。

局所進行または転移性膀胱癌の治療として約20年前に開発された併用化学療法は,患者の生存期間中央値を延長している。メトトレキサート,ビンブラスチン,ドキソルビシンおよびプラチノール(MVAC療法)の併用療法が2000年までは標準治療とみなされていたが,大規模な第III相ランダム化試験によってジェムザールとプラチノール併用療法が同等であることが示された。進行膀胱癌への高い活性がみられる他の治療法には,タキソテール/ジェムザール,ジェムザール/パラプラチン(カルボプラチン)がある。

本試験は,他のプラチナ製剤による毒性を減少させる目的でデザインされた。エロキサチンは大腸癌に対する使用が認められているが,膀胱癌に対するFDAの承認は受けていない。エロキサチンは膵癌と胃癌の治療薬としてジェムザールと併用されている。

研究者らは,過去に化学療法を行ったことのない30例にエロキサチンとジェムザール併用療法を合計123サイクル行った。全奏効率は47%で完全奏効は3例。著者らは,グレード3から4の神経障害発現は13例,本併用療法の忍容性は高かったと報告した。好中球減少症と血小板減少症は重大な問題とはならなかった。この併用療法は毒性も少なく有望であり,プラチナ製剤を基本としたより強度の高い治療に適さない患者で評価すべきであると,著者らは述べた。

コメント

これらの研究データは,進行または転移性膀胱癌患者に対し,本治療法は忍容性にすぐれ有望であることを示唆している。


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翻訳担当者 Okura

監修 瀬戸山 修(薬学)

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