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臨床試験中のワクチン、多形性膠芽腫に期待

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臨床試験中のワクチン、多形性膠芽腫に期待

キャンサーコンサルタンツ

臨床試験段階である免疫ワクチンRindopepimutが、多形性膠芽腫(GBM)の治療に期待できるかもしれない。第2相臨床試験結果が、2010年脳腫瘍学会(SNO)にて最近発表された。
多形性膠芽腫は、最も頻繁に認められる致死性の原発性脳腫瘍の一つである。神経系に最も豊富にある膠細胞から発生する。膠細胞は神経の働き(脳、脊髄、神経間の活動電位伝達)を促進するための補助的役割を果たす。現在のところ、GBMの治療法としては、外科的治療とその後の放射線およびテモダール(テモゾロミド)による化学療法がある。しかしながら、最も積極的な治療を施しても、診断後の生存期間は1年未満の場合が多い。このようなことから、研究者たちは新しく革新的な治療戦略の評価を続けている。

 

Rindopepimutは試験中の癌ワクチンで、免疫システムを刺激し、癌細胞上の標的を攻撃するよう設計されている。この特殊なワクチンは、表皮増殖因子受容体Ⅲ型変異分子(EGFRvⅢ)を標的とし攻撃する。GBM患者の25-30%はEGFRvⅢ陽性とされる。

 

多施設ACTⅢ試験において、新たにEGFRvⅢ陽性のGBMと診断された患者に、放射線療法とテモダールを併用した上でRindopepimutを評価した。65人がこの第2相臨床試験に参加した。腫瘍は全ての対象患者から外科的に取り除かれた。どの患者も、診断3カ月後に Rindopepimutによるワクチン療法が開始された。

・8.5カ月における無増悪生存率(PFS)は66%であり、この結果は想定していたPFS 53%を超えていた。このPFS 66%の値は、GBMに対し標準療法(放射線療法+テモダール)を受けている患者に期待されるPFSの値、また過去に得られたPFSの値も超えていた。

・Rindopepimutはまた、活性化DNA修復遺伝子(MGMT)の有無にかかわらず有効であるように思われた。この点は重要である。というのは、MGMTは放射線療法+テモダールによる併用療法の治療効果を制限するとみられるからである。

・Rindopepimutの放射線療法及びテモダールとの併用療法は忍容性が高かった。主な副作用は、注射部位における局所反応であった。

 

「これらの結果は、Rindopepimutは患者の生存率を、これまでになく延長することを示唆している」とこの研究の第一人者は結論づけた。Rindopepimutに対する評価は、2011年に始まるであろう第3相臨床試験にて引き続き行われる。

 

参考文献:
Lai R, Recht LD, Reardon DA et al. Final analysis of ACT III: a phase II trial of PF-04948568 (CDX-110) in combination with temozolomide (TMZ) in patients (pts) with newly diagnosed glioblastoma (GBM). Presented at the 2010 annual meeting of the Society for Neuro-Oncology. Montreal, Quebec, Canada. November 18-21, 2010. Abstract OT-31.

 


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原文掲載日

翻訳白神ルミ子

監修朝井鈴佳(獣医学・免疫学)

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