腎細胞癌の治療におけるス―テント®およびネクサバール® の心毒性が報告された | 海外がん医療情報リファレンス

腎細胞癌の治療におけるス―テント®およびネクサバール® の心毒性が報告された

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

腎細胞癌の治療におけるス―テント®およびネクサバール® の心毒性が報告された

キャンサーコンサルタンツ
2008年11月

ウィーン医科大学の研究者らは、ス―テント(スニチニブ)およびネクサバール(ソラフェニブ)が心毒性を引き起こすことを報告したが、これは生存に影響を及ぼすものではない。本試験の結果は、Journal of Clinical Oncology誌の2008年11月10日号に掲載された。[1]

 

ス―テントとネクサバールは、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)であり、腎細胞癌および他の癌腫の治療に用いられている。これらの製剤は、経口標的製剤であり、癌細胞の成長、増殖、浸潤に関与する複数の生物学的経路を阻害する作用を持つ。チロシンキナーゼ阻害剤に関連する心疾患の可能性は、これまでの試験から提起されてきた。ハーバード大学の研究者らは、ス―テントの治療が、イマチニブ耐性の転移性消化管間質腫瘍(GIST)患者における心疾患の発現に関係していることを報告した。

 

今回の報告は、TKI製剤で治療されている74人の患者を対象に、心臓の副作用を分析するための、観察的な単一施設試験であった。研究者らは、3つの目標を設けた。

1)TKI製剤を処方されている患者における心臓 障害の徴候を調査する。

2)伝統的な心臓血管治療による心疾患イベントの可逆性を調べる。

3)心疾患イベントの発症後もTKI治療を継続出来るかどうかの可能性を測定する。

 

TKI製剤での治療を開始する前に、全ての患者は、冠動脈疾患(CAD)の危険因子とCADや高血圧、 調律異常、心不全などの病歴や徴候を分析する。選定された患者は治療前に心エコー検査(ECG)を実施した。(心血管イベントは、酵素のベースライン時正常値から増加、治療を要する症候性不整脈、左心室機能障害、急性冠症候群などの発現として定義されている)。

 

治療中、33.8%の患者が心血管イベントを発症させ、40.5%にECGの変化が見られた。また、18%は、症候性であった。全ての症候性患者は、適切な心血管治療を行うため、TKI治療を中断した。これらの患者のうち7人(9.4%)は、深刻な障害が起き、中間治療や集中治療を要するものであった。心血管治療実施後、これらの患者はTKI治療を再開し、2週間の入院を要する持続的心血管モニタリングを行った。

 

心血管管理後、全ての患者は回復しTKI治療の継続の適切性が認められた。研究者らは、TKI治療による心臓障害は、概して過小評価されている事象であるが、注意深く心血管モニタリングを行い、心筋障害の初発症候時に心臓治療を行うことができれば、管理可能である」と結論づけた。彼らは、治療プロトコルに心血管治療を取り込むことの重要性を強く主張している。

 

コメント:

本試験は、患者のモニタリングの有用な情報を提供している。

 

参考文献:

[1] Schmidinger M, Zielinski CC, Vogl UM, et al. Cardiac toxicity of Sunitinib and Sorafenib in patients with metastatic renal cell carcinoma. Journal of Clinical Oncology. 2008;26:5204-5212.

 


 c1998- 2008CancerConsultants.comAll Rights Reserved.
These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein.
Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc.
本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。
Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

翻訳高杉友紀子

監修林 正樹(血液・腫瘍科)

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

関連薬剤情報

一覧

週間ランキング

  1. 1診療時の腫瘍マーカー検査は不要な可能性
  2. 2非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  3. 3EGFR陽性非小細胞肺がん一次治療にオシメルチニブが...
  4. 4リンパ腫患者の余命は、診断後の無再発期間2年経過で通...
  5. 5BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  6. 6ペムブロリズマブが治療歴ある進行再発胃がんに有望
  7. 7若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い
  8. 8緩和ケアにより進行がん患者の医療利用が減少
  9. 9コーヒーが、乳がん治療薬タモキシフェンの効果を高める...
  10. 10FDAがベバシズマブ-awwbをバイオシミラーとして...

お勧め出版物

一覧

arrow_upward

ユーザー 病名 発信元種別 発信元名 治療法別 がんのケア がんの原因・がんリスク がん予防 基礎研究 医療・社会的トピック 注目キーワード別 薬剤情報名種別

女性のがん
消化器がん
泌尿器がん
肉腫
血液腫瘍
その他
民間機関
その他