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米国国立癌研究所(NCI)の「議論を刺激する質問」プロジェクトに対する研究助成金の公募開始

NCIニュースノート

米国国立癌研究所(NCI)の「議論を刺激する質問」プロジェクトは、不明な点が多いものの癌研究の流れや手法を変える可能性を秘め、解明されれば癌研究を大きく前進させることができる科学的な問題に挑み、癌研究の現状に影響を与えようという意気込みのある研究者からの応募を求めていると発表した。助成金は、確かな根拠に基づく革新的な研究戦略を用いて、癌研究分野の特定の諸問題や矛盾点を解明しようとする研究プロジェクトを支援するものである。NCIの「議論を刺激する質問」はいくつかの目的を満たしている。われわれの癌に対する理解と癌の進展制御に関して特定の進歩をさらに前進させるものであること、これまで解明が困難であるとされてきた癌の生物学的特徴に関する幅広い問題を取り扱っていること、近い将来に進歩が見込まれることを考慮した質問になっていること、研究を前進させる上で障害となっているものを乗り越える方法に着目していること、などである。

 

質問に優先順位はないが、少し例をあげればプロジェクトの重要性がわかるであろう。選定された24の質問のひとつに、「肥満がどのようにして癌のリスクの一因となるのか」というものがある。この質問は特に頭の痛い問題であり、肥満による癌のリスクに可逆性があるのかどうか、あるとすればどのような機序によるものなのかなどをはじめ、肥満の根底にある機序がほとんど解明されていない。このほか、「浸潤性または転移性の癌に進行することが予測される非悪性病変には明確な性質があるのか」という質問がある。この質問は重要である。なぜなら、臨床的挙動が不確かであることから、非悪性病変に対して正当であると考えられる以上に積極的な治療が行われることが多いが、それが最終的に患者にとって害になりかねないからである。

このプロジェクトの申請書類(RFA)は、http://grants.nih.gov/grants/guide/rfa-files/RFA-CA-11-011.html および http://grants.nih.gov/grants/guide/rfa-files/RFA-CA-11-012.html でご覧いただけます。応募締切は2011年11月4日です。

 

翻訳ギボンズ 京子

監修田中 謙太郎(呼吸器/腫瘍内科、免疫/MDアンダーソンがんセンター)

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