FDAが上咽頭がんにトリパリマブを承認

米国食品医薬品局(FDA)

2023年10月27日、米国食品医薬品局(FDA)は、転移性または再発性の局所進行上咽頭癌(NPC)の成人患者に対する一次治療として、シスプラチンおよびゲムシタビンとの併用でtoripalimab-tpzi[トリパリマブ](LOQTORZ、Coherus BioSciences, Inc.)を承認した。またFDAは、プラチナ製剤を含む化学療法中または療法後に病勢進行した切除不能の再発または転移性のNPC成人患者に対する単剤療法としてトリパリマブを承認した。

シスプラチンおよびゲムシタビンと併用したトリパリマブの有効性は、再発または転移病変に対して全身化学療法を受けたことのない、転移性または再発性の局所進行性NPC患者289人を対象とした無作為化、多施設共同、単地域、二重盲検プラセボ対照試験であるJUPITER-02試験(NCT03581786)で評価された。患者は、トリパリマブとシスプラチンおよびゲムシタビンの併用療法後にトリパリマブを投与する群と、プラセボとシスプラチンおよびゲムシタビンの併用療法後にプラセボを投与する群に無作為に割り付けられた(1対1)。化学療法レジメンは下記リンクの処方情報を参照。

主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)で、RECIST v1.1に基づき盲検下独立評価委員会(BIRC)が評価した。全生存期間(OS)は追加評価項目であった。トリパリマブ群とプラセボ群のPFS中央値は、それぞれ11.7カ月対8.0カ月(ハザード比[HR]0.52[95%CI:0.36、0.74]、p値 = 0.0003)で、統計学的に有意なPFSの改善が認められた。OS中央値も統計学的に有意な改善が認められ、トリパリマブ群では未到達(95%CI:38.7カ月、推定不能)、プラセボ群では33.7カ月(95%CI:27.0、44.2)であった(HR 0.63 [95%CI:0.45, 0.89]、p値 = 0.0083)。 

トリパリマブ単剤の有効性は、プラチナ製剤をベースとした化学療法の治療歴があるか、または局所進行病変に対してネオアジュバント療法、アジュバント療法、または根治的化学放射線療法としてプラチナ製剤をベースとした化学療法投与後6カ月以内に病勢進行が認められた、切除不能または転移性NPC患者172例を対象とした非盲検、多施設共同、単一国、多コホート試験である、POLARIS-02試験(NCT02915432)で評価された。患者はRECIST v1.1に基づく病勢進行または許容できない毒性が認められるまでトリパリマブの投与を受けた。

主要評価項目は、RECIST v1.1に基づきBIRCが評価した奏効率(ORR)と奏効期間(DOR)であった。ORRは21%(95%CI:15、28)、DOR中央値は14.9カ月(95%CI:10.3、推定不能)であった。

トリパリマブ投与により、肺炎、大腸炎、肝炎、内分泌障害、腎機能障害を伴う腎炎、皮膚の副作用などの免疫関連有害事象が発現した。シスプラチンおよびゲムシタビンと併用したトリパリマブの主な有害事象(20%以上)は、悪心、嘔吐、食欲減退、便秘、甲状腺機能低下症、発疹、発熱、下痢、末梢神経障害、咳嗽、筋骨格痛、上気道感染、不眠、めまい、倦怠感であった。トリパリマブ単剤の主な有害事象(20%以上)は、疲労、甲状腺機能低下症、筋骨格痛であった。

シスプラチンとゲムシタビンを併用する場合のトリパリマブの推奨用量は、3週間ごとに240 mg投与し、病勢進行または許容できない毒性が認められる、もしくは最長24カ月まで、継続する。治療歴のあるNPCに対するトリパリマブ単剤の推奨用量は、2週間ごとに3 mg/kgで、病勢進行または許容できない毒性が認められるまで継続する。

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  • 監訳  山﨑 知子(頭頸部・甲状腺・歯科/埼玉医科大学国際医療センター 頭頸部 腫瘍科)
  • 翻訳担当者 後藤 若菜
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  • 原文掲載日 2023/10/30

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