ASCOのTAPUR試験の新データ発表:消化器がんシンポジウム2020

Targeted Agent and Profiling Utilization Registry(TAPUR)試験コホートにおける、進行大腸がん患者でのさまざまな分子標的薬に関する肯定的な結果は、2020年1月23日から25日にカリフォルニア州サンフランシスコのモスコーン・ウェストビルで開催される消化器がんシンポジウム2020で発表される。

TAPUR試験は、米国臨床腫瘍学会(ASCO)が実施する最初の臨床試験であり、米国食品医薬品局(FDA)に承認された分子標的治療薬の評価(安全性および有効性の双方)を目的としている。これらの分子標的型がん治療薬は、治療に反応する可能性がある遺伝子変異をもつ進行がん患者の治療用に処方されている。

大腸がんにおける個別化療法の有効性についてのTAPUR試験の報告は、ASCO Daily Newsで詳細を確認できる。もしくは、メディアチームを通して下記の研究に関する消化器がん専門医のコメントが可能。

アブストラクト122:

BRAF V600E変異を有する大腸がん(CRC)患者におけるCobimetinib[コビメチニブ]とベムラフェニブ(販売名:ゼルボラフ)の併用(C+V)。TAPUR試験で得られた結果。

アブストラクト132:

ERBB2の増幅または過剰発現がみられる大腸がん(CRC)患者におけるペルツズマブ(販売名:パージェタ)とトラスツズマブ(販売名:ハーセプチン)の併用(P+T)。TAPUR試験で得られた結果。

アブストラクト133:

腫瘍遺伝子変異量が多い(HTMB)大腸がん(CRC)患者におけるペムブロリズマブ(販売名:キイトルーダ)。TAPUR試験で得られた結果。

翻訳担当者 瀧井希純

監修 廣田 裕(呼吸器外科、腫瘍学/とみます外科プライマリーケアクリニック)

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