FDAがグリベックを稀な消化器癌の再発予防に承認

FOR IMMEDIATE RELEASE:2008年12月19日 Media Inquiries:Karen Riley, 301-796-4674 Consumer Inquiries: 888-INFO-FDA

FDAがグリベックを稀な消化器癌の再発予防に承認

米国食品医薬品局(FDA)は、本日(2008年12月19日)、グリベック(イマチニブメシル酸塩)の新たな適応症として、消化管間質腫瘍またはGISTに対する外科的切除後の患者における腫瘍増殖の予防を承認した。GISTは極めてまれな癌で、消化管壁に分布する細胞に由来する。カハール間質細胞として知られるこの細胞は、自律神経系の一部であり、胃腸を通過する食物および液体の動きを調節するよう促している。 2001年に初めてFDAから承認されたグリベックは、腫瘍増殖を引き起こす細胞内情報伝達を阻害する画期的な新医薬品の1つである。 「医師および患者は、グリベックが承認されたことにより、このまれな消化管疾患に対する有力かつ新たな治療選択肢を得た」とRichard Pazdur医師は述べた。同医師は、FDA医薬品評価研究センターの癌治療薬オフィス(Office of Oncology Drug Products)責任者である。「かつての新薬について、その製品ライフサイクルを通じて継続的な試験を行うことにより、いかにして新しく、また有力な使用法がもたらされるかを示している」 米国では毎年約5,000~6,000人が新たにGISTと診断されている。GISTの症状は、例えば悪心や嘔吐といった他の消化管疾患の病訴と何ら変わりがないため、腫瘍の早期発見が困難となっている。患者は最初に腫瘍摘出手術を受けるが、GISTは再発することが多い。グリベックは腫瘍の再発を予防するために、手術後の患者に対して投与されることを目的としている。 グリベックの有効性は、外科的切除術を受けたGIST患者に対し、術後1年間グリベックまたはプラセボのいずれかを投与した臨床試験により実証された。最適な治療期間はわかっていない。 グリベックを投与した群において、投与しなかった群よりもGISTの再発が有意に少なかった。最も高い頻度で報告された有害反応は、下痢、疲労、悪心、足の膨張、赤血球数の減少、発疹、嘔吐および腹痛であった。 グリベックは、スイス・バーゼルのノバルティス株式会社が製造する。

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入江瑞穂 訳 千種葉月(薬学) 監修 

原文

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