Cabozantinib[カボザンチニブ]のFDA承認
商品名:Cometriq
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・進行性/転移性甲状腺髄様癌に対して承認
米国食品医薬品局(FDA)は2012年11月29日、進行性転移性甲状腺髄様癌(MTC)患者の治療薬としてcabozantinib-s-malate(カボザンチニブ-s-リンゴ塩)(Cometriq™内服錠、Exelixis社)を承認しました。同治療薬はRET、MET、およびVEGF受容体2を含む、複数のチロシンキナーゼの活性を阻害する低分子薬です。
本承認は、転移性MTC患者330人を対象とした国際多施設共同ランダム化プラセボ対照試験において、無増悪生存期間(PFS)に改善がみられたことに基づいています。本試験は、試験登録前14カ月以内に病勢に進行がみられた患者を対象としました。
患者はカボザンチニブを1日1回140 mg経口投与する群(N=219)とプラセボ群(N=111)に無作為に割り付けられました。ランダム化にあたっては、年齢およびチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の使用歴の有無について患者を層別化しました。病勢が進行する、許容できない毒性が発現する、これらのいずれかが認められるまで治療薬の投与を続けました。プラセボ群で病勢が進行した患者のカボザンチニブ投与群へのクロスオーバーは認めませんでした。独立画像評価委員会が、改定RECIST基準を用いて腫瘍の進行および抗腫瘍効果を評価しました。
患者330人のうち男性は67%であり、年齢の中央値は55歳でした。患者の23%は65歳以上で、患者の54%はベースラインのECOG パーフォーマンス・ステータス(PS)が0でした。患者の92%に甲状腺切除術の治療歴がありました。患者の25%に2種類以上の前治療歴があり、また患者の21%にTKIによる治療歴がありました。
カボザンチニブ投与群のPFSは、プラセボ投与群に比して統計的に有意に延長しました(HR 0.28; 95%CI: 0.19, 0.40; p< 0.001)。PFSの推定中央値は、カボザンチニブ投与群では11.2カ月であったのに対して、プラセボ投与群では4.0カ月でした。
客観的な奏効割合はカボザンチニブ投与群に有意な改善がみられ(27% vs 0% ; p<0.0001)、全例部分寛解でした。奏効期間の中央値は14.7カ月でした(95% CI: 11.1, 19.3)。全生存期間については、当初計画されていた中間解析およびFDAが求めている最新の生存解析時においてカボザンチニブ投与群およびプラセボ投与群の両群において統計的に有意な差はみられませんでした。
カボザンチニブ投与群の患者の25%以上にみられ、プラセボ投与群に比べて発現率の高かった(5%以上の差)副作用は、下痢、口内炎、手掌足底紅斑異常感覚症候群(PPES)、体重減少、食欲減退、吐き気、疲労、口腔痛、毛髪変色(色素脱失/灰白色化)、味覚障害、高血圧、腹痛、便秘でした。最も多い検査値異常(25%以上)は、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)の増加、アラニントランスアミナーゼ(ALT)の増加、リンパ球減少、アルカリホスファターゼの増加、低カルシウム血症、好中球減少、血小板減少、低リン血症、および高ビリルビン血症でした。
カボザンチニブ投与群の患者の5%以上にみられ、プラセボ投与群に比べて発現率の高かった(2%以上の差)グレード3または4の副作用は、下痢、PPES、リンパ球減少、低カルシウム血症、疲労、高血圧、無力症、ALTの増加、体重減少、口内炎、および食欲減退でした。カボザンチニブとの因果関係がみとめられる重大な副作用としては、下顎骨壊死(1例)、可逆性後白質脳症症候群(1例)、ネフローゼ症候群(1例)、および膵炎(3例)が含まれていました。カボザンチニブ投与群の患者2人については致死的出血がみられ、他にも2人の患者に致死性の消化管穿孔および消化管瘻の形成がみられました。
カボザンチニブの推奨用量および用法は、1日1回140mg経口投与となっています。患者は本剤を服用する少なくとも2時間前または服用後1時間は食事をしてはいけません。本試験では、患者の79%に投与量の減量が必要となりました。
この薬剤情報のサマリーは、FDA抗腫瘍薬製品室長のRichard Pazdur医師により作成されています。米国食品医薬品局(FDA)とは米国保健社会福祉省(HHS)の一部門で、新薬その他の製品の安全性と有効性を確保するための機関です。 (FDA:医薬品・医療機器の承認方法の理解(原文)を参照。 FDAの使命は、安全かつ有効な製品の迅速な市場流通を促し、流通後も継続的に製品の安全性を監視することによって、国民の健康を守り、推進することです。 |
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