FDAが急性骨髄性白血病にベネトクラクス併用療法を正式承認

2020年10月16日、米国食品医薬品局(FDA)は、75歳以上で新たに急性骨髄性白血病(AML)と診断された患者、または併存疾患があり、強化寛解導入化学療法を実施しない患者を対象に、アザシチジン、デシタビン、または低用量シタラビン(LDAC)のいずれかとの併用療法を適応としてベネトクラクス(販売名:VENCLEXTA、AbbVie Inc.社およびGenentech Inc.社)を正式承認した。

2018年11月に、ベネトクラクスは本適応症の迅速承認を取得している。

有効性は、上記のAML患者を対象とした2つの二重盲検無作為化プラセボ対照試験において確認された。

VIALE-A試験(NCT02993523)では、患者をベネトクラクス+アザシチジン投与群(286人)またはプラセボ+アザシチジン投与群(145人)に無作為に割り付けた。有効性は全生存期間(OS)の改善に基づくものである。全生存期間中央値は、ベネトクラクス+アザシチジン投与群で14.7カ月(95%信頼区間[CI]:11.9~18.7)であったのに対し、プラセボ+アザシチジン投与群では9.6カ月(95%CI:7.4~12.7)であった(ハザード比[HR] 0.66;95%CI:0.52~0.85;p<0.001)。ベネトクラクス+アザシチジン投与群の完全寛解(CR)率は37%(95%CI:31%~43%)であり、対照群の18%(95%CI:12%~25%)に比較して改善が示された。

VIALE-C試験(NCT03069352)では、患者はベネトクラクス+低用量シタラビン(LDAC)投与群(143人)またはプラセボ+LDAC投与群(68人)に無作為に割り付けられた。有効性は完全寛解(CR)率とCRの持続期間に基づくものである。ベネトクラクス+LDAC投与群のCR率は27%(95%CI:20%~35%)で、CRの持続期間の中央値は11.1カ月(95%CI:6.1~未到達)であったのに対し、プラセボ+LDAC投与群では7.4%(95%CI:2.4%~16%)で、中央値8.3カ月(95%CI:3.1~未到達)であった。ベネトクラクス+LDAC投与群では、プラセボ+LDAC投与群と比較して全生存期間(OS)が有意に改善しなかった(HR 0.75;95%CI 0.52~1.07;p=0.114)。

アザシチジン、デシタビン、または低用量シタラビンと併用したベネトクラクス投与群に最もよくみられた副作用(いずれの試験でも30%以上)は、悪心、下痢、血小板減少、便秘、好中球減少、発熱性好中球減少症、疲労、嘔吐、浮腫、発熱、肺炎、呼吸困難、出血、貧血、発疹、腹痛、敗血症、筋骨格系疼痛、めまい、咳、口腔咽頭痛、低血圧であった。

ベネトクラクスの推奨用量は併用レジメンによって異なり、処方情報に記載されている。VENCLEXTAの全処方情報はこちらを参照。(*日本語の添付文書はこちらを参照)

本審査は、FDA Oncology Center of Excellenceが主導するProject Orbisの下で実施された。Project Orbisは、国際的なパートナー間で抗がん剤の同時申請および審査をする枠組みである。FDAはオーストラリア医薬品行政局、ブラジル国家衛生監督庁、カナダ保健省およびスイス医薬品局と共同で本申請を審査している。他の規制当局では、本申請の審査は継続中である。

本審査には、Real-Time Oncology Review(RTOR)パイロット・プログラムと、FDAによる評価を円滑に進めるために申請者が自発的に申請を行うAssessment Aidが使用された。FDAは目標期日の5週間前に本申請を承認した。

FDAは本申請を画期的治療薬およびオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)、優先審査に指定した。FDA迅速承認プログラムに関する情報は、「企業向けガイダンス:重篤疾患のための迅速承認プログラム-医薬品およびバイオ医薬品」(the Guidance for Industry: Expedited Programs for Serious Conditions-Drugs and Biologics)に記載されている。

翻訳担当者 大倉綾子

監修 北尾章人(腫瘍・血液内科/神戸大学大学院医学研究科)

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