FDAがオーファンドラッグ、迅速承認プログラムに指定されていたArranonを稀な白血病およびリンパ腫の治療薬として承認
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FDA Approves Arranon for Rare Leukemia and Lymphoma Drug Approved Under Agency’s Orphan Drug and Accelerated Approval Programs (October 31, 2005)
FDA(米国食品医薬品局)は10月31日、Arranon (nelarabine)の米国内における市販承認を発表した。ArranonはT細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)またはT-細胞性リンパ芽球性リンパ腫(T-LBL)があり、少なくとも2種類の化学療法を行っても反応しなかった、または再発があった成人および小児を治療するための新薬である。Arranonはこのような患者を治療する初めての治療薬である。 Dr. Steven Galson氏(FDA医薬品評価研究センター(CDER)所長)は「Arranonの承認によって、このような深刻な病態の人々に重要な選択肢が提供される。Arranonは特定の患者集団において最後の手段として有効であることが示されており、迅速承認プログラムによる承認が可能であった」と述べている。
Arranonは細胞増殖を阻止することによって癌細胞を殺す化学療法薬である。癌細胞の分裂は急速であり、分裂の遅い正常細胞よりも癌化学療法に対する感受性が高い。
ArranonはFDAの迅速承認プログラムによって承認された。FDAはこのプログラムによって、癌などの重篤な(生命に関わる)疾患のための薬剤を、有効性に関する早い段階のエビデンスに基づいて承認することができる。今回の場合、一部の患者における癌細胞の完全消失がエビデンスとなったが、後にほとんどの症例で再発がみられた。Arranonに反応した患者の中には、癌細胞の消失に伴い正常血球数への回復がみられることもあった。スポンサーは、FDAの迅速承認プログラムで求められているとおり、Arranonの臨床における有用性を立証するためにさらなる試験を遂行する予定である。
Arranonは希少疾患(米国内の患者数が200,000人未満の疾患)の治療用薬剤に対して認められるオーファンドラッグ指定も受けている。最初に指定オーファンドラッグの販売承認を受けたスポンサーは、オーファンドラッグ法(Orphan Drug Act)によって米国における7年間の独占市販権を得る。米国では毎年、約1600人の患者が新たにT-ALLまたはT-LBLと診断されている。
年間の推定で500人が再発性や難治性のT-ALLやT-LBLであり、このうちの約200人は小児である。
急性リンパ性白血病(ALL)は有効な治療が行われないと急速に進行する悪性度の高い疾患である。米国では、毎年、推定で小児は2,400人、成人は1,200人がALLと診断されており、このうち約700人がT-Allである。リンパ芽球性リンパ腫(LBL)は、小児非ホジキンリンパ腫(NHL)の約30%、成人NHLの約3%を占める。毎年、推定50,000人がNHLと診断され、このうちの約900人がT-LBLである。Arranonの安全性および有効性は2つの臨床試験で実証されており、1つは小児を対象に、もう1つは成人を対象に行われた。どちらも再発性または難治性のT-ALLまたはT-LBLの患者が参加した。全ての患者にArranonが投与された。小児患者39人のうち癌が完全に消失したのは23%であり、完全消失の持続期間は3.3~9.3週間であった。治療を行った成人患者28人では、癌の完全消失率は21%、完全消失の持続期間は4週間から195週間以上であった。
Arranon治療による一般的な副作用として、疲労、悪心、嘔吐、下痢が報告された。
Arranonはグラクソ・スミスクライン社(ノースカロライナ州、Research Triangle Park)によって流通販売される。
(Sionn 訳・林 正樹(血液・腫瘍科) 監修 )
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