FDAが芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍にtagraxofuspを承認

2018年12月21日、米国食品医薬品局(FDA)は、芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)の成人患者および2歳以上の小児患者に対して、CD123特異的細胞毒性薬tagraxofusp(商品名:ELZONRIS、Stemline Therapeutics社)を承認した。

今回の承認は、多施設共同、マルチコホート、非盲検単群臨床試験(STML-401-0114; NCT 02113982)に基づくものであり、同試験は未治療または再発/難治性のBPDCN患者を対象として実施された。患者にはtagraxofuspを推奨用量の12 mcg/kg投与した(投与スケジュールは下記参照)。中心的コホートでは、未治療BPDCN患者13人のうち7人(53.8%; 95% 信頼区間[CI]: 25.1~80.8)が追跡期間中央値11.5カ月後に完全寛解/臨床的完全寛解に達した。効果持続期間中央値は未到達であった。第2コホートでは、再発/難治性BPDCN患者15人の患者のうち、1人が完全寛解に達し(持続期間111日)、1人が臨床的完全寛解に達した(持続期間424日)。

最もよくみられた有害反応(≥ 30%)は、毛細血管漏出症候群、悪心、疲労、末梢浮腫、発熱、および体重増加であった。最もよくみられた検査値異常(≥ 50%)は、アルブミン、血小板、ヘモグロビン、カルシウムおよびナトリウムの低値、ならびにグルコース、ALTおよびASTの高値であった。

Tagraxofuspの推奨用量および投与スケジュールは、12 mcg/kg を1サイクル21日で1日目から5日目まで1日1回15分間かけて行う静脈内投与である。

ELZONRISの全処方情報はこちらを参照。

FDAは、本申請を優先審査および画期的治療薬に指定した。また、オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)にも指定した。FDAの迅速承認プログラムに関する情報は、「企業向けガイダンス:重篤疾患のための迅速承認プログラム−医薬品およびバイオ医薬品」(Guidance for Industry: Expedited Programs for Serious Conditions-Drugs and Biologics)に記載されている。

翻訳担当者 山田登志子

監修 吉原 哲(血液内科・細胞治療/兵庫医科大学)

原文を見る

原文掲載日 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

白血病に関連する記事

キザルチニブが高齢者を含む白血病(AML)の治療選択肢に加わるの画像

キザルチニブが高齢者を含む白血病(AML)の治療選択肢に加わる

米国国立がん研究所(NCI) がん研究ブログ悪性度の高い血液腫瘍である急性骨髄性白血病(AML)患者に対する治療選択肢が、米国食品医薬品局(FDA)の新たな承認によってさらに広がった。...
Pevonedistat 3剤併用は白血病(AML、MDS、CMML)に有望の画像

Pevonedistat 3剤併用は白血病(AML、MDS、CMML)に有望

MDアンダーソンがんセンター化学療法や放射線療法を受けた後に発症する二次性急性骨髄性白血病(AML)患者は、通常、予後不良につながる高リスクの分子的特徴を有している。また、メチル化阻害...
白血病治療では肥満と過体重は予後不良に関連するの画像

白血病治療では肥満と過体重は予後不良に関連する

ダナファーバーがん研究所米国では肥満の急増に伴い、体重がいかに健康上の予後に影響を与えるかについて研究者は注視している。青年および若年成人(AYA世代)の急性リンパ性白血病(ALL)の...
慢性リンパ性白血病にピルトブルチニブが新たな治療選択肢となるかの画像

慢性リンパ性白血病にピルトブルチニブが新たな治療選択肢となるか

オハイオ州立大学総合がんセンター分子標的薬療法によって成人白血病の最も多くみられる病型は治癒の見込みのない病から慢性的な病へと変わり、研究者らはこの治療法を洗練し、改良し続けている。N...