CML患者の初回治療に関するボスチニブの評価

CML患者の初回治療に関するボスチニブの評価

キャンサーコンサルタンツ

国際試験に関与する研究者らは、新しいチロシンキナーゼ阻害薬ボスチニブ(Bosutinib)が慢性骨髄性白血病(CML)患者の初回治療に関してグリベック(イマニチブ)より優れた効果を有するようだと報告した。このランダム化試験の早期段階の結果は、2011年米国臨床腫瘍学会年次総会で発表された。

毎年、米国では約5,000人がCMLと診断されている。大半のCML症例は、染色体異常、すなわち、9番染色体と22番染色体の間で交換されているフィラデルフィア染色体の出現を特徴とする。この交換は、2つの遺伝子、BCRとABLを融合する。これら2つの遺伝子の融合によってできたひとつのBCR-ABL遺伝子は、結果として、制御されない細胞増殖の一因となるタンパクを産生する。

CMLにおけるBCR-ABLタンパクの役割の重要性が確認されたことによって、このタンパクの活性を阻害するグリベックが開発された。グリベックは慢性期CML患者に高い寛解率をもたらし、劇的にこの疾患の治療を変えた。BCR-ABLタンパクを標的とする、より新しい薬に、タシグナ(ニロチニブ)およびスプリセル(ダサチニブ)がある。タシグナとスプリセルはともに、CML患者の初回治療に関してグリベックより優れた効果を示すと思われる。その適応でFDAによって承認された。

ボスチニブは、Ablチロシンキナーゼ、およびSrcチロシンキナーゼを標的とする第三世代チロシンキナーゼ阻害薬である。ボスチニブは、グリベックより30倍強力であると言われ、グリベックとスプリセルによる治療、またはグリベックとタシグナによる治療に奏効しない患者の治療において有効であった。また、ボスチニブは、幹細胞移植に反応しなかった患者を含む、移行期と急性転化期のCML患者にも有効であった。Srcチロシンキナーゼの過剰発現がグリベックに対する耐性に関連するため、ボスチニブによりSrcを標的とすることは重要であると考えられる。

本試験では、新たにCMLと診断された患者502人をグリベックまたはボスチニブの治療にランダムに割り当てた。以下は早期段階の結果(治療期間中央値16カ月)であるため、正確な比較のために、さらに追跡調査が必要とされる。

  • 1年の時点での累積的な細胞遺伝学的完全寛解率は、ボスチニブでは79%、グリベックでは75%であった。
  • 1年の時点での累積的な分子遺伝学的大寛解(MMR)は、ボスチニブでは47%、グリベックでは32%であった。
  • 細胞遺伝学的完全寛解または分子遺伝学的大寛解(MMR)に至る期間は、ボスチニブ群の方がより短かった。
  • 移行期および急性転化期への転換は、ボスチニブで治療した患者2%、グリベックで治療した患者では4%で生じた。
  • 有害事象により投薬を中止したのは、グリベック群の患者6%に対しボスチニブ群でより多かった(22%)。
  • 死亡率は、グリベック群の患者4.8%に対しボスチニブ群1.6%であった。

これらのデータは、ボスチニブが、CML治療の承認薬にすぐに加えられる可能性があることを示唆する。

初回治療としてのボスチニブの役割は、本試験をさらに追跡調査することで明らかにされるであろう。

参考文献:

Gambacorti-Passerini C, Cortes JE, Kim D, et al. Bosutinib (BOS) versus imatinib (IM) in patients (pts) with chronic phase chronic myeloid leukemia (CP CML) in the BELA trial: 18 month follow-up. Journal of Clinical Oncology 29;2011 (suppl;abstract 6509)


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翻訳担当者 有田 香名美、武内 優子 校正

監修 林 正樹(血液・腫瘍科)

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