精巣がんは40歳未満で最多―正しい認識はわずか13%

精巣がんは40歳未満で最多―正しい認識はわずか13%

オハイオ州立大学総合がんセンター附属Arthur G. Jamesがん病院・Richard J. Solove研究所(OSUCCC‐James)が委託した最近の調査は、米国人の精巣がんに対する認識に焦点を当てたものであった。米国がん協会によれば、米国で毎年1万人近くの成人が罹患する精巣がんについて、一般市民への啓蒙にもっと多くのことができることを本結果は示唆している。

OSUCCC - Jamesの調査によると、精巣がんが40歳未満の男性に最も多く罹患する病気であるということは、米国成人の13%(10人に1人強)しか正しく認識していなかった。これは重要なことである。なぜならば、精巣がんは20~40歳の男性に最も多く見られるからである。

さらに、回答者の3分の2(65%)は、40歳以降は年1回の検診の一環として検査を受けるべきだと考えている。しかし、がん専門家は、20~40歳の間は自己検診が最も適切であると指摘している。

Shawn Dason 医師(OSUCCC-James 泌尿器腫瘍専門医)は次のように述べた。「私の経験では、精巣がんが若年成人に最も多いことに多くの男性が驚愕します。20代や30代で精巣がんになるとは思ってもみなかったことでしょう。多くの若年成人は、キャリアや日々の生活を発展させることに重点を置いているかもしれません。おそらく、健康に対してとは全く異なる意識になります」。

調査結果

18歳以上の回答者1,008人を対象とした調査では、10人に6人(63%)が、精巣がんは早期に発見すれば治ることが多いことを正しく認識し、半数強(54%)が、毎月自己検診を行うべきであると正しく回答した。

オハイオ州立医科大学泌尿器科の准教授でもあるDason医師は、次のように語った。「精巣がんの場合、患者の大多数が早期に診断されるのは本当に幸運なことです。つまり、大多数の患者は、がんが体の他の部位に転移する前に正しく診断されるのです」。

米国人の18~29歳の若年成人と30~49歳の成人は、精巣がんが生殖能力に影響を及ぼすと答えた割合が、高齢者よりも高かった(それぞれ68%と61%)。しかし、若年層は他の年齢層よりも、精巣がんの症状は常に痛みを伴うという記述に誤って同意する割合も高かった(18%)。

「精巣がんは通常、痛みを伴う症状で発症することはありません。だからこそ、しこりや睾丸の変化を発見するために、定期的な自己検診がとても重要なのです。しこりやこぶのようないつもと違うものを感じたり、睾丸の大きさが変わったりしたら、医師に連絡してください」とDason医師は語った。

調査方法

本調査は、SSRSのOpinion Panel Omnibusプラットフォームで実施された。SSRS Opinion Panel Omnibusは、全国規模の月2回行われる確率的方法に基づく調査である。データ収集は2025年5月2日~5日まで、1,008人の回答者を対象に行われた。調査はウェブ(n=978)および電話(n=30)で行われ、英語で実施された。全回答者の誤差の範囲は、95%信頼水準で±3.6%ポイントである。すべてのSSRS Opinion Panel Omnibusのデータは、対象母集団である18歳以上の米国成人を代表するように加重されている。

  • 監訳 榎本 裕(泌尿器科/三井記念病院)
  • 記事担当者 平 千鶴
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  • 原文掲載日 2025/06/16

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