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FDAはヒトパピローマウイルスに起因する子宮頚癌及びその他の女性疾患予防のための新ワクチンを承認

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FDAはヒトパピローマウイルスに起因する子宮頚癌及びその他の女性疾患予防のための新ワクチンを承認

迅速な承認は公衆衛生上の大きな進歩

米国食品医薬品局(FDA)は本日Gardasilを、ヒトパピローマウイルス(HPV)6、11、16、18型に起因する子宮頚癌、前癌症状である生殖器の病変、生殖器疣贅(ゆうぜい)を防ぐために開発された最初のワクチンとして承認すると発表した。このワクチンは9~26歳までの女性における使用が承認されている。Gardasilは優先審査指定を受け6ヶ月未満で評価、承認された。優先審査制度とは著しく健康に有益性をもたらす可能性のある製品の審査過程のことである。

「今日は、国民の健康、女性の健康、そして子宮頚癌のような生命を脅かす深刻な疾病との絶え間ない我々の闘いにとって重要な日となります」と保険社会福祉省(HHS)の副長官であるAlex Azar氏は述べた。「HHSは全国民の健康を守り、促進させる新しく有望なワクチンの開発など前進的で重要な健康対策と取り組んでいます。」

 

HPVは米国における最も一般的な性感染症である。疾病対策予防センターによれば毎年約620万人がHPVに感染しており、性交渉をもつ男女の半数以上は生涯のいずれかの時期に感染する。平均すると毎年米国内で9,710件が子宮頚癌と新たに診断され、子宮頚癌による3,700件の死亡が確認されている。世界的に子宮頚癌は女性の癌の2番目に多い癌で、毎年470,000人が新たに子宮頸癌と診断され233,000人の死亡が確認されている。

 

ほとんどの女性は体内防御システムがウィルスを排除するので感染した女性も関連した健康問題を引き起こさない。しかしHPVの中には子宮頚部上皮の異常細胞の原因となり数年後に癌へと進行させる可能性があるものもある。また生殖器疣贅を引き起こすHPVもある。ワクチンは、約70%の子宮頚癌で原因とされるHPV16、18型や、約90%の生殖器疣贅の原因であるHPV6、11型に対して有効である。

 

「このワクチンは多くの子宮頚癌の根本原因である感染を妨げることにより女性の健康を守る上での大きな進歩です」とFood and Drugsの代理長官Andrew C. von Escgebbach医師は述べた。「このワクチンの開発は、満足できない医学的な必要性を解決する目的で、まったく新しいワクチンの開発の推進に協力した科学者や、FDAの審査チームの多大な労力のたまものである。この取り組みは最近Gardasilを含む多くの新しい薬剤の承認という結果につながった。Gardasilは著しく国民の健康における必要性を満たすものである。」

 

Gardasilは組換え型のワクチン(生ウィルスは含まない)で、6ヶ月間に3回接種する。Gardasilに伴う免疫化はワクチンに含まれるHPVに起因する子宮頚癌のほとんどの例を防ぐことを期待されている。しかし、女性たちがワクチン接種以前にHPVに感染していた場合は防御することができないため、ウィルスにさらされる可能性がある前に免疫化することが重要であることを示唆している。また、Gardasilは、ワクチンに含まれない、あまり一般的でない型のHPVに対しては防御できない。それゆえ子宮頚癌を発症する前の段階で治療をするためには、頚部の前癌症状の変化を見つけるための定期的な一般の子宮癌細胞診スクリーニングが不可欠であることはかわりない。

 

「これは子宮頚癌の予防に特化して承認された最初のワクチンです。迅速な承認は安全で効果的なワクチンのできるだけ早い使用をうながすためのFDAの努力であると強調している。ワクチン接種は幼児や子供の小児麻痺および麻疹のような疾病の数を劇的に減少させただけでなく、青少年や成人の生命を防御し改善する大きな役割を果たしている」とFDAのCenter for Biologics Evaluation and Researchの代表であるJesse Goodman医学博士は語った。

 

4つの臨床検査のうち1つはアメリカ国内で3つは諸外国で行われ、16~26歳の21,000人の女性を対象としてワクチンあるいはプラセボを用いてGardasilの効果が調べられた。その結果、未感染の女性においてGardasilはそれが直接効果を及ぼす型のHPV感染による前癌症状の頚部病変、膣および外陰部の病変、生殖器の疣贅をほぼ100%予防した。研究の期間が短く子宮頚癌を発症するまでには至らなかったが、子宮頚癌の前癌症状病変の予防が結果的に子宮頚癌の予防になると思われる。

 

臨床検査ではまた、すでにワクチンに含まれるいくつかのHPVに感染しており、そのウィルスに関連した症状を示した女性を防御できるかどうかを評価した。その結果ワクチンは感染前に接種した場合にだけ効果があることが分かった。

 

また2つの臨床検査が9~15歳の若い女性のワクチンに対する免疫反応を評価するために実施された。その免疫反応は16~26歳の女性における反応と同様に効果が高くワクチンは9~15歳のグループでも同様の効果があったことを示していた。

 

ワクチンの安全性は約11,000人で評価されている。Gardasilの接種を受けた症例のほとんどの有害事象は注入時の痛みや圧痛のような軽度あるいは中等度の局所反応であった。

 

Merck & Co.社は、承認後も一般的安全性と長期にわたる持続効果についての付随臨床試験などの承認数回の臨床試験を行うことに同意した。Merck & Co.社はまた妊娠を知る前に、Gardasilの投与を受けた女性の妊娠の経過観察をすることになっている。またMerck & Co.社は男性におけるGardasilの安全性と効果の評価をする臨床試験中である。

 

Gardasilはニュージャージー州ホワイトハウス ステーションにあるMerck & Co.社によって製造されている。

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原文

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(Sugiura 訳・平 栄(放射線腫瘍科) 監修)

 

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