小児/若年での第2の原発がん発症後の生存は、成人に比べて著しく不良 | 海外がん医療情報リファレンス

小児/若年での第2の原発がん発症後の生存は、成人に比べて著しく不良

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小児/若年での第2の原発がん発症後の生存は、成人に比べて著しく不良

欧州臨床腫瘍学会(ESMO)

第2の原発がんを発症した場合、40歳未満の患者は40歳以上の成人より生存率が低い

 

あらゆる年齢層のがん患者100万人以上について解析した結果、二次性原発悪性腫瘍(primary malignant neoplasm:SPM)(*注1 参照)と診断された場合、小児や若年成人は成人と比べて、がんで死亡するリスクがかなり高いことがわかった。

 

二次性のホジキンリンパ腫、肉腫、乳がん、甲状腺がん、精巣がんに罹った若年成人は、同種のがんと診断されたがん罹患歴のない同年齢層の患者と比較して、がんによる死亡リスクが2倍以上高かった。

 

あらゆる年齢層の患者において、一次がん診断後の5年生存率は80%であった。しかし、上記のがん種が第2の原発がんであった場合、5年生存率は小児では47%、若年成人では60%に下がった。

 

本研究は、このほどJAMA Oncology誌電子版で発表された。

 

Theresa H. M. Keegan氏(医学博士。米国サクラメントにあるCenter for Oncology Hematology Outcomes Research and Training, Division of Hematology and Oncology, University of California, Davis, School of Medicine在籍)を筆頭筆者とする研究グループの論文によれば、上記がん種について第2の原発がんと診断された患者と、最初のがんとして診断された患者を年齢別に比較する研究データは不足していた。ただし、二次性原発腫瘍の高い発現率については、がんの晩期障害として十分に立証されている。

 

最初に発症した原発がんは、その後発症した第2の原発がんより、あらゆる年齢層で生存率が良好であった

第2のがんが若年成人の生存率に及ぼす影響を見極めるため、米国の研究チームが、小児、若年成人、成人における二次性原発腫瘍の診断後の生存リスクを比較した。研究者らはSEER(Surveillance, Epidemiology, and End Results)データベースから米国13地域について調べた結果、1992年から2008年までにがんと診断され、2013年まで追跡調査された患者を特定した。この特定集団の後ろ向きコホート研究で収集したデータについて、2016年6月から2017年1月まで解析した。解析評価方法として、二次性原発腫瘍が生存に及ぼす影響について、15歳から39歳の若年成人患者と、15歳未満の小児患者および40歳以上の成人患者とを比較するとともに、同年齢層を対象に最初の原発がんとして同種のがんに罹った患者と比較した。

 

解析では多変量コックス比例ハザード回帰を用いて、最初の原発がんまたは二次性原発腫瘍として14種のがんと診断された小児患者15,954人、若年成人患者125,750人、成人患者878,370人のデータを調べた。

 

第2のがんと診断された患者は、最初の原発がんとして同種のがんと診断された患者と比べて生存予後が不良であった。さらに、こうした生存予後の差は39歳以下の患者で特に大きかった。

 

二次性原発腫瘍の患者のがん診断後5年生存率は、最初の原発腫瘍として同種のがんと診断された同年齢層の患者と比較すると、小児では33.1%、若年成人では20.2%、成人では8.3%低かった。

 

若年成人の生存率は、複数のがん種で一貫して低い

研究者らは、もっとも症例の多い二次がん、すなわち、二次性の非ホジキンリンパ腫、乳がん、甲状腺がん、軟部組織肉腫、ホジキンリンパ腫、急性骨髄性白血病、中枢神経系のがんにおいて、がんの種類ごとにデータを分析した。

 

二次性原発腫瘍の患者における年齢層別の生存比較の結果、甲状腺、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、急性骨髄性白血病、二次性軟部組織肉腫、中枢神経系のがんの若年齢層患者の予後は、同種の二次性がんに罹った年齢層の高い患者より有意に不良であることがわかった。

 

若年成人の二次性原発腫瘍患者を一次性原発腫瘍患者と比較した5年生存の絶対差は、二次性非ホジキンリンパ腫で42%、二次性乳がんで19%、二次性甲状腺がんで15%、二次性軟部組織肉腫で13%低いことが判明した。

 

検証したがん種すべてにわたり、若年成人層は二次性がんの予後が不良であった。がんによる死亡リスクのハザード比(HR)が、若年成人二次性原発腫瘍患者では、同種がんの若年成人一次がんの患者より高かった。ハザード比は、二次性ホジキンリンパ腫3.5(95%信頼区間(CI)1.7、7.1)、軟部組織肉腫2.8(95%CI 2.1、3.9)、乳がん2.1(95%CI 1.8、2.4)、急性骨髄性白血病1.9(95%CI 1.5、2.4)、中枢神経系のがん1.8(95%CI 1.2、2.8)であり、二次性原発腫瘍患者の生存予後は同がん種の一次がんの若年成人患者より不良であった。

 

結論

著者らの論文によれば、小児や若年成人において第2のがんが生存に及ぼす悪影響が一層大きいことは、若年成人での生存改善が他の年齢層と比べて相対的に欠如していることを部分的に説明できる。今回の知見から、特定の診断が生存に及ぼす影響は、年齢層別予防、検診、治療、サバイバーシップ(がん診断後ケア)に関する推奨の参考情報になると言える。

 

*注1:「二次がん」「二次性原発悪性腫瘍」「治療関連二次性悪性腫瘍」ともいう。最初のがん診断後、異なる原発性悪性疾患が発現した場合の2番目のがん。主に最初のがんの治療により発症したがんをいう。「一次がん」、「一次性原発悪性腫瘍」は最初に発症した原発性がん。

 

参考文献

Keegan THM, Bleyer A, Rosenberg AS, et al. Second Primary Malignant Neoplasms and Survival in Adolescent and Young Adult Cancer Survivors. JAMA Oncol. Published online April 20, 2017. doi:10.1001/jamaoncol.2017.0465

原文掲載日

翻訳山田登志子

監修小宮武文(腫瘍内科/カンザス大学医療センター)

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