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Pemetrexed(アリムタ)、再発肺癌に毒性が低い代替治療

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Pemetrexed(アリムタ)、再発肺癌に毒性が低い代替治療

米国国立がん研究所(NCI) 臨床試験結果

Pemetrexed (Alimta) Is a Less-Toxic Alternative for Recurrent Lung Cancer
(2003/6/12、最終更新:2004/5/5)2003年ASCO会議で発表されたデータによると、試験薬pemetrexed(アリムタ)は、再発非小細胞肺癌(NCLC)の現行の標準治療と同等に効果があり、副作用がより少ない。

 

 

要約
治験薬pemetrexed(アリムタ)は、現行の再発非小細胞肺癌に対する標準治療と同等の効果があり、かつ副作用はより軽微でした。

 

出典
シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会の2003年6月2日の発表 (注:本臨床試験の最終結果は、2004年5月1日号のJournal of Clinical Oncologyに掲載されました。本誌の要旨を参照してください。)

 

背景
非小細胞肺癌(NSCLC)は、肺癌の全症例の80%を占めています。他の臓器に転移する前に早期に発見され手術による治療を受けたNSCLC患者の平均5年生存率は約50%です。全生存率は低いものの、進行した病気期に化学療法を受けることによって生存率の中央値に若干の改善が見られます。

 

ドセタキセルが、化学療法の後に再発したNSCLCに対する現行の標準治療薬です。前回の2つの臨床試験で、その他の化学療法剤または経過観察と比較すると、ドセタキセルは生存率を改善しました。しかし、ドセタキセルは多くの患者に発熱および感染症など重篤な副作用をもたらします。

 

前回の試験によって、治験薬のpemetrexedがドセタキセルに替わる効果的な治療薬になる可能性があることが分かりました。PemetrexedはDNAの成分である体内のヌクレオチドの生成を妨げます。癌細胞は通常の細胞よりも急速に成長するため、より多量のヌクレオチドをが必要とします。

 

しかし、前回の臨床試験では、患者をpemetrexedまたは標準治療を受ける群のいずれかに無作為に割り当てませんでした。したがって、試験結果は信頼のおけるものではありませんでした。(無作為化の重要性については「無作為化とは?(What is Randomization?)」および「癌治療の決定をする上で最も有効な試験結果はどれか?(Which Study Results Are the Most Helpful in Making Cancer Care Decisions?)」を参照してください。)

 

試験
2001年3月から2002年2月にかけて、571名の再発NSCLC患者に対する治療法を評価する最大の第3相臨床試験となる新たな試験が実施されました。患者はドセタキセル、現行の標準治療もしくはpemetrexedで治療される群に無作為に割り当てました。

 

結果
2003年5月現在、pemetrexedで治療を受けた患者の生存率の中央値は、ドセタキセル治療をうけた患者が7.9ヶ月に対し、8.3ヶ月でした。しかし、見かけのこのPremetrexedのわずかな長所は統計的に見て有意ではありませんでした。すなわち、この差は偶然に起こりうる値ということです。両治療群の患者の1年間の生存率は約30%でした。

 

両治療群の患者の生存率に差はありませんでしたが、pemetrexedで治療をうけた患者では、白血球数の低下により発症する発熱や感染症にかかる可能性は有意に低いものでした。また発熱やその他の副作用のため入院したり、また白血球の生成を促す必要性が生じる可能性も低いものでした。さらに、pemetrexedで治療を受けた患者では、脱毛および四肢のしびれはより少ないものでした。

 

これら試験結果により、pemetrexedは再発NSCLC患者にとって効果的な化学療法剤であることが明らかになったと本臨床試験の責任医師であるインディアナポリスのインディアナ大学のNasser Hanna医師は語っています。「生存率は、pemetrexedまたはドセタキセルで治療を受けた患者ともに同等でしたが、pemetrexedはより好ましい毒性プロフィールを有していました。」

 

制限事項
再発NSCLCのpemetrexedによる治療は、毒性はより低いものの、生存率にほどほどの効果を持つ標準治療と比較した場合、全体の結果には改善が見られませんでした。より優れた治療薬が再発NSCLC患者に求められるのは明らかです、と米国国立癌研究所の臨床試験部門のScott Saxman医師は述べています。

 

(ポメラニアン 訳・林 正樹(血液・腫瘍科) 監修)

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