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尿路上皮がんに対するアテゾリズマブのFDA承認

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尿路上皮がんに対するアテゾリズマブのFDA承認

FDA(米国食品医薬品局)

Oncology Approved Drug

 

2016年5月18日、米国食品医薬品局(FDA)は、プラチナ製剤を含む化学療法中または療法後に病状が進行した、あるいは、プラチナ製剤を含む術前または術後の化学療法後12カ月以内に病状が進行した、局所進行または転移性尿路上皮がん患者を適応として、atezolizumab[アテゾリズマブ]注射剤(商品名:Tecentriq、Genentech Inc.社)に迅速承認を与えた。アテゾリズマブはprogrammed death-ligand 1(PD-L1)を阻害する抗体製剤である。

 

本剤は局所進行または転移性尿路上皮がん患者310人が参加した多施設、単群試験に基づいて承認された。本試験に参加した患者はプラチナ製剤を含む化学療法中または療法後に、あるいは、プラチナ製剤を含む術前または術後の化学療法後12カ月以内に病状が進行していた。本試験では、自己免疫疾患の既往歴がある患者または全身性の免疫抑制剤を必要とする患者は除外された。すべての患者で腫瘍検体の採取が必要とされた。すべての患者に対し、3週に1回、アテゾリズマブ1200mgを静脈内投与した。主な有効性に関する主要評価項目は、RECIST( v1.1)を用いた評価に基づいて、独立評価機関により確認された客観的奏効率、ならびに奏効期間であった。

 

患者の78%で内臓への転移がみられ、40%が以前に2種以上の転移性がんに対する治療を受けていた。患者の19%は術前または術後の化学療法後に病状が進行していた。

 

独立評価により確認された客観的奏効率は治療を受けた全患者において14.8%(95% CI: 11.1、19.3)であった。奏効期間の中央値には到達せず、奏効期間の範囲は2.1~13.8カ月であった。奏効を示した46人のうち、37人は6カ月以上、6名は12カ月以上奏効が継続中であった。中央検査室においてVentana PD-L1 (SP142) Assayを用いて腫瘍検体を評価し、その結果を用いて、予め規定した解析に使用するサブグループを決定した。PD-L1で染色された腫瘍浸潤免疫細胞が腫瘍領域の5%以上を占める患者をPD-L1陽性とした。患者310人のうち、32%はPD-L1発現が5%以上であると分類された(PD-L1で染色された腫瘍浸潤免疫細胞が腫瘍領域の5%以上を占めると定義された)。残りの68%の患者はPD-L1発現が5%未満であると分類された(PD-L1で染色された腫瘍浸潤免疫細胞が腫瘍領域の5%未満を占めると定義)。確認された客観的奏効率は、検体のPD-L1発現が5%以上の患者100人では26.0%(95% CI: 17.7、35.7)、検体のPD-L1発現が5%未満の患者210人では9.5%(95% CI: 5.9、14.3)であった。これらサブグループの奏効期間は上述の全患者における奏効期間と同等であった。

 

アテゾリズマブ投与患者で最もよくみられた有害反応(患者の20%以上)は疲労、食欲減退、悪心、尿路感染症、発熱、便秘であった。グレード3や4の有害事象は50%の患者でみられた。感染症と、肺臓炎、肝炎、大腸炎、甲状腺疾患、副腎不全、糖尿病、膵炎および皮膚炎/発疹などの免疫関連の有害事象もアテゾリズマブ投与患者でみられた。

 

アテゾリズマブの推奨用量は、病状が進行するまたは許容できない毒性が発現するまで、3週に1回、1200 mgを60分以上かけて静脈内投与する。腫瘍検体中のPD-L1発現検査はアテゾリズマブの使用に必須ではないが、患者選択の指針になる可能性がある。Ventana PD-L1 (SP142) Assayは腫瘍浸潤免疫細胞上のPD-L1発現検査用に承認されている。

 

本申請は処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)の目標期日である2016年9月12日より前に承認された。アテゾリズマブは本適応に対して画期的治療薬指定を受けており、本申請は優先審査を受けた。これらの迅速承認プログラムは企業向けガイダンス「重篤疾患のための迅速承認プログラム-医薬品および生物学的製剤(Expedited Programs for Serious Conditions-Drugs and Biologics)http://www.fda.gov/downloads/drugs/guidancecomplianceregulatoryinformation/guidances/ucm358301.pdf.)を参照のこと。

 

全処方情報はhttp://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2016/761034s000lbl.pdfを参照のこと。

 

医療従事者は、医薬品および医療機器の使用との関連が疑われる重篤な有害事象が認められた場合、すべてFDAのMedWatch報告システムに報告しなければならない。報告は、オンラインフォームへの記入(http://www.fda.gov/medwatch/report.htm)、オンラインで提供されている料金支払い済み宛名フォームの郵送、または電話(1-800-FDA-1088)にて行う。

原文掲載日

翻訳下野龍太郎

監修榎本裕(泌尿器科/三井記念病院)

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