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甲状腺髄様癌に対するカボザンチニブの効果に遺伝子変異が関連

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甲状腺髄様癌に対するカボザンチニブの効果に遺伝子変異が関連

キャンサーコンサルタンツ

2013年の10月16日から20日にプエルトルコのサンホセで開催された米国甲状腺学会第83回年次総会で発表された調査結果によると、ある特定の遺伝子変異を有する転移性甲状腺髄様癌は、それを持たない場合に比べて、カボザンチニブ(Cometriq)による治療効果が良好であった。

 

甲状腺とは、主に体内の代謝過程と関係しているホルモンを分泌する咽喉のホルモン臓器である。甲状腺髄様癌は全甲状腺癌の約2‐3%を占めている。これらの癌は、普通に見られる甲状腺癌に比べて、予後がいくぶん悪い傾向にあり、症例の25%までは遺伝性と考えられている。治療としては、可能ならば、手術で甲状腺を切除する。従来の化学療法では、甲状腺髄様癌に対しては効果が限られていたため、より新しい分子標的薬剤への関心が高まっている。

 

カボザンチニブは、チロシンキナーゼ阻害剤として知られている分子標的薬剤である。これは、METやVEGFR2と同様に受容体チロシンキナーゼRETを含む数種類の癌の増殖の原因となる特定の生物学的経路を標的にする。この薬剤は転移性の甲状腺髄様癌治療用として承認されている。

 

研究者らは、遺伝子変異状態が治療効果に影響を及ぼすのか否かを決定するために、第3相試験の後ろ向きのサブグループ・データ解析を行った。彼らはRET変異による予後を調査し、RET変異無しの患者についてRAS変異を調査した。総合すると、調査集団の79%はRET変異があり、RET変異無しの約20%がRAS変異を有していた。

 

この結果により、RET変異、特にM918TRET多型を有する患者と、RAS変異を有する患者では、無増悪生存期間に大きな効果があることが示された。変異を有しない患者では無増悪生存期間中央値は25週であったのに対して、変異を有する患者では60週であった。さらに、変異を有する患者のうち、この薬剤を投与された患者は、プラセボを投与された患者より、有意に良好な結果であった。

 

RETの遺伝子多型であるM918Tに関していうと、カボザンチニブ投与群での無増悪生存期間中央値は、変異のある患者では61週であったが、変異の無い患者では36週であった。

 

RET変異は無いがRAS変異のある患者では、カボザンチニブ投与群は、プラセボに比べて、無増悪生存期間に有意に大きな効果があった(47週対8週)。

 

どちらの変異もない患者では、この薬剤による無増悪生存期間の改善はそれほど見られなかった。

 

研究者は、RET(特にM918T多型)またはRAS変異を有する患者は、転移性甲状腺髄様癌の治療にカボザンチニブを投与した場合、いかなる遺伝子変異もない患者よりも、無増悪生存期間に極めて有利であると結論付けている。研究者は、カボザンチニブ治療にかなう患者を選ぶ場合に、遺伝子変異の検索が役立つかもしれないと示唆している。

 

参考文献:
Brose MS, Sherman SI, Schöffski P, et al. Correlative analyses of RET and RAS mutations in a phase III study of cabozantinib in patients with progressive, metastatic medullary thyroid cancer. Presented at the 83rd Annual Meeting of the American Thyroid Association, October 16- 20, 2013, in San Juan, Puerto Rico.Thyroid. October 2013, 23(S1): A-1-A-114. Abstract 4.

 


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原文掲載日

翻訳大木勝弥

監修東 光久(血液癌・腫瘍内科領域担当/天理よろづ相談所病院)

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