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世界的に中咽頭癌の発生率が増加傾向

米国国立がん研究所(NCI)ニュースノート

原文掲載日:2013年11月20日

 

NCIの研究者らは、経済先進国では1983年から2002年にかけての中咽頭癌の発生率が著しく増加していると報告した。中咽頭癌は、口の奥に位置する喉の中間部分(舌の付け根、喉の側壁および後壁、扁桃など)に主に発生する。NCI癌疫学・遺伝学部門Anil K. Chaturvedi医学博士らによる本研究の結果は、Journal of Clinical Oncology誌電子版2013年11月18日号に掲載されている。

 

近年の研究によれば、中咽頭癌の発生率が増加していることが数カ国から報告されており、その後の研究からヒトパピローマウイルス(HPV)が要因である可能性も指摘されている。しかし、世界的に見ても中咽頭癌の発生率が増加しているのかどうかは不明であった。オハイオ州立大学および国際癌研究機関に所属するChaturvedi氏と共同研究者らは、中咽頭癌および口腔癌の発生率に関する傾向を調べた。分析には、23カ国18万人以上の癌患者登録データを用いた。その結果1983年から2002年にかけて、男女ともに総じて中咽頭癌の発生率は増加しており、その傾向はもっぱら経済先進国で認められたことが明らかになった。女性では、著しい発生率増加が認められた国すべてで、口腔癌および肺癌も増加していた。いずれも喫煙と強く関連している癌種である。対照的に、男性では総じて中咽頭癌の発生率増加に伴い、口腔癌および肺癌は減少した。男性にこうした結果がみられたことから、HPV感染も含め、喫煙以外の何らかの要因が中咽頭癌の発生率増加に関与していることが示唆される。研究者らは、予防的HPVワクチン接種が口腔内のHPV感染を防ぐことがわかっているため、男女問わずワクチン接種によってさらなる恩恵があるのではないか、と指摘している。

 

原文

翻訳濱田 希

監修林 正樹(血液・腫瘍内科/社会医療法人敬愛会中頭病院)

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