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グレープフルーツジュースを用いた新たな薬物送達システムの開発

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グレープフルーツジュースを用いた新たな薬物送達システムの開発

NCCAM(米国補完代替療法センター)

NCCAM(米国補完代替療法センター)が一部資金提供している新規研究において、グレープフルーツジュースから抽出した微小な粒子を用いて、薬剤および生物学的製剤を体内に安全に送達可能なマイクロカプセルの作成に成功した。培養細胞およびマウスを用いた本試験は、最先端の技術であるナノテクノロジーを用いて実施された。その技術を用いると、大きさが100ナノメートル以下の物質から製品が開発可能である(ナノメートルとは1メートルの10億分の1で、100ナノメートルとは、1メートルの1000万分の1である)。本試験内容はオンラインジャーナルであるNature Communication誌に掲載された。

本研究チームは、小さなベクター(キャリア:運び屋)が、食用で毒性のない植物から作成可能どうか、そして哺乳類製または人工物製のベクターよりもより問題点がすくないかどうかを調べることを目指していた。彼らは3つのフルーツを分析し、グレープフルーツにベクター作成に必要な脂質の多いナノ粒子が最も多いことがわかった。この結果から、本チームは新規「グレープフルーツ由来のナノベクター」(GNV)を作成し、さまざまな細胞の種類を用いて研究室で試験した。GNVは、標的細胞に効率よくかつ迅速に取り込まれ、そして安定しており、さまざまな抗がん剤を送達することができた。

動物試験で、本チームは、2つの癌マウスモデルを用いて、数種類の抗がん剤(2つの化学療法剤、RNA製剤およびDNA製剤、抗体製剤)でGNVの検証を行った。製剤をGNVに入れたほうが、体内における薬剤の(標的臓器での)効果が持続し、副作用や毒性の兆候が表れなかった。化学療法薬剤であるJSI-124とのコンビにおいては腫瘍の成長が抑制され、マウスの生存期間が延長した。

著者らは、GNVでのアプローチは、効果的でかつ安全(妊娠女性にたいしてさえも)であるが、さらなる検証が必要であるとした。長所としては、安全性に加え、比較的単純でコストも低いことがある。変更やカスタマイズが可能であること(例えば、目的とする標的や治療ニーズに応じてなど)、さまざまな薬剤や疾患に適用可能であることなどがある。

参考文献
Wang Q, Zhuang X, Mu J, et al. Delivery of therapeutic agents by nanoparticles made of grapefruit-derived lipids. Nature Communications [online journal]. 2013;4(1867). Accessed at www.nature.com/ncomms/journal/v4/n5/abs/ncomms2886.html on May 21, 2013.

 

原文掲載日

翻訳舛田理恵

監修大野 智 (腫瘍免疫/早稲田大学・東京女子医科大学)

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