4月はサルコイドーシス啓発月間-ある患者の体験談

ジョンズホプキンス大学

2019年、熱心なサイクリストで筋力トレーナーのRobin Gobleは、自分の健康状態の変化に気づいた。長時間のサイクリングで疲れやすくなっただけでなく、ジムの周りを歩くだけでも息切れや疲労を感じるようになったのだ。年が明けると、Robinの症状も悪化し、めまい、頭痛、疲労感が増していった。

Robinが医療機関を受診する転機となったのは、近所を運転中に物が二重に見えるようになったことだった。彼女は数カ月にわたりその答えを求めたが、2020年7月にMRI検査を受けたことで、脳、脳幹、脊椎、目の周囲に高レベルの炎症があることがわかった。彼女はすぐにジョンズホプキンス病院に入院し、5日間にわたる精密検査を受けた。その後、神経サルコイドーシス(脳、脊椎、神経を含む神経系に炎症を起こす、まれなタイプのサルコイドーシス)という診断を受けた。

Robin Goble氏をはじめとする神経サルコイドーシスの患者は、頭痛、めまい、脱力感、感覚障害などの全身症状を経験することが多く、診断が困難である。

「当時は神経サルコイドーシスという診断を受けるのが怖かった」とRobinは言う。彼女は肺を侵す肺サルコイドーシスとも診断された。「でも、ジョンズホプキンスの世界レベルの医療が身近にあることにとても感謝しています。医師、研修医、医学生、看護師は素晴らしく、ここで受けるケアの連携がとても気に入っています」。

入院して診断を受けた後、Robinはジョンズホプキンス サルコイドーシスセンターの患者として登録された。ここで彼女は、神経科、循環器科、眼科、呼吸器科の臨床医を含むジョンズホプキンス医学全体のサルコイドーシスの専門家で構成されるケアチームの支援を受けた。このチームは、診断後の彼女の初期の神経系と肺の炎症を軽減する手助けをし、定期的な検査を通して彼女のサルコイドーシスを監視し続けている。

「サルコイドーシスは従来からある病気でも、一般的な病気でもありません」とRobinの臨床医の一人であり、ジョンズホプキンス大学医学部の神経学教授であるCarlos Pardo-Villamizar医師は言う。「この病気は心臓、脳、肺、リンパ節、その他の臓器に影響を及ぼす可能性があるため、適切に患者さんの問題に向き合い治療を確実に行う必要があります。これを行うには、複数の専門分野にわたって連携して取り組む必要があります。サルコイドーシスは慢性的に進行する疾患であるため、このような取り組みは時間をかけて継続されるべきです」。

Robinによれば、現在のところ、症状は投薬、栄養補給、マインドフルネスの実践によってほとんど対処可能だという。彼女はまた、ジョンズホプキンス サルコイドーシスセンターのサルコイドーシス患者のためのサポートグループに参加したことも役立っていると言う。彼女は、サルコイドーシス、特に神経サルコイドーシスに罹患していることの感情に対処する上で、共に話し、学ぶ患者のコミュニティがあることが役立っていると強調している。

Robinはジョンズホプキンス サルコイドーシスセンターの患者支援グループにも最近参加するようになり、イベントを計画し、この病気についての意識を高める活動を行っている。 彼女らは、8月にジョンズホプキンス メディスンでカンファレンスと患者教育イベントを予定している。

「サルコイドーシスは目に見えない病気です。外見は元気そうに見えても、内面はそうではないのです」とロビンは言う。「希少疾患やサルコイドーシスの支援がとても重要なのはそのためで、それは単なる診断にとどまらないからです。変化をもたらすためには、サポートシステムと、病気で何が起こっているかを人々に知ってもらうことが必要なのです」。

  • 監訳 遠藤誠(肉腫、骨軟部腫瘍/九州大学病院)
  • 翻訳担当者 青山真佐枝
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  • 原文掲載日 2024/04/04

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