化学療法にフォスブレタブリン・トロメタミン(CA4P)を追加することで、進行性甲状腺癌の生存率を改善する可能性 | 海外がん医療情報リファレンス

化学療法にフォスブレタブリン・トロメタミン(CA4P)を追加することで、進行性甲状腺癌の生存率を改善する可能性

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

化学療法にフォスブレタブリン・トロメタミン(CA4P)を追加することで、進行性甲状腺癌の生存率を改善する可能性

キャンサーコンサルタンツ

進行性甲状腺未分化癌の患者に対して、標準化学療法にFosbretabulin tromethamine[フォスブレタブリン・トロメタミン](CA4P)を追加投与した場合、標準化学療法のみの場合と比較して、1年生存率が改善した。この結果は、本年開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)の年次総会で発表された。[1]

 

甲状腺とは、咽喉の基部に位置し、主に身体の代謝過程に関連するホルモンを産生する内分泌腺である。甲状腺内で癌化する細胞の性質によって、甲状腺癌の組織型は異なる。

 

甲状腺未分化癌(ATC)は、甲状腺癌の中では稀な組織型であり、非常に悪性度が高い。進行性甲状腺未分化癌の治癒率は未だ高いとはいえず、臨床試験において新たな治療薬が検討され続けている。

 

Fosbretabulin tromethamineは、米国食品医薬品局(FDA)未承認の薬剤であるが、現在臨床試験の最終段階にある。これまでに実施された臨床研究では、本薬剤は、腫瘍細胞への血流量を減少させることによって抗腫瘍効果を発揮し、甲状腺未分化癌に対する活性を示した。

 

ヨーロッパ、インドおよび米国の研究者らが最近、進行性甲状腺未分化癌の治療におけるCA4Pの効果をさらに検討するため、第2相/第3相臨床試験を実施した。本試験(FACT試験)の対象者は、カルボプラチン+パクリタキセルの併用化学療法にCA4Pを追加、またはカルボプラチン+パクリタキセルのみの治療を受けた患者80人であった。

  • CA4P+化学療法群の1年生存率は改善した。CA4P+化学療法群の1年生存率は27%であったのに対して、化学療法単独群ではわずか9%であった。
  • CA4P+化学療法群は化学療法単独群と比較して、低グレードの高血圧および免疫細胞低下の発現頻度が高かったものの、CA4Pによる治療には十分な忍容性があった。

 

著者らは、「ATC患者を対象として現在までに実施された試験の中で、最も大規模な前向きランダム化比較試験である本試験によって、CA4Pが1年生存率を3倍にし、全生存期間を改善させることが示唆される」と述べた。

 

参考文献:

[1] Sosa J. A., Elisei R., Jarzab B., et al. A randomized phase II/III trial of a tumor vascular disrupting agent fosbretabulin tromethamine (CA4P) with carboplatin (C) and paclitaxel (P) in anaplastic thyroid cancer (ATC): Final survival analysis for the FACT trial. Paper presented at the 2011 meeting of the American Society of Clinical Oncology. Abstract 5502.

 


  c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved. These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein. Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc. 本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。 Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

原文掲載日

翻訳濱田 希

監修須藤 智久 (臨床薬学修士/国立がん研究センター 東病院 臨床開発センター)

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

関連薬剤情報

一覧

週間ランキング

  1. 1非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  2. 2BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  3. 3リンパ腫患者の余命は、診断後の無再発期間2年経過で通...
  4. 4若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い
  5. 5FDAがCAR-T 細胞療法Yescartaを成人大...
  6. 6ルミナールA乳がんでは術後化学療法の効果は認められず
  7. 7コーヒーが、乳がん治療薬タモキシフェンの効果を高める...
  8. 8脊髄転移に対する組織内レーザー温熱療法
  9. 9乳がん治験薬エンドキシフェン、NCIの支援により研究...
  10. 10濾胞性リンパ腫治療の新時代

お勧め出版物

一覧

arrow_upward

ユーザー 病名 発信元種別 発信元名 治療法別 がんのケア がんの原因・がんリスク がん予防 基礎研究 医療・社会的トピック 注目キーワード別 薬剤情報名種別

女性のがん
消化器がん
泌尿器がん
肉腫
血液腫瘍
その他
民間機関
その他