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FDAが放射性ヨウ素抵抗性の進行性分化型甲状腺癌にレンバチニブを承認

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FDAが放射性ヨウ素抵抗性の進行性分化型甲状腺癌にレンバチニブを承認

米国食品医薬品局(FDA)ニュース

速報

米国食品医薬品局(FDA)は本日、放射性ヨウ素治療を受けたにもかかわらず病勢進行がみられる進行性分化型甲状腺癌(DTC)(放射性ヨウ素治療抵抗性甲状腺癌)の患者に対する治療薬として、レンバチニブ[lenvatinib](Lenvima)を承認した。

 

甲状腺癌で最も一般的な癌腫であるDTCは、頸部に位置し身体の代謝を調整する甲状腺が癌性増殖したものである。米国国立癌研究所(NCI)の推定によると、2014年、62,980人の米国人が甲状腺癌と診断され、1,890人が死亡したという。レンバチニブは、キナーゼ阻害剤であり、癌細胞の増殖と分裂をもたらす特定のタンパク質を阻害することにより作用する。

 

「治療抵抗性甲状腺癌患者の助けとなる新たな治療法の開発は、FDAにとって非常に重要です」と、FDA医薬品評価研究センターの血液腫瘍製品室長Richard Pazdur医師は語っている。「本日の承認により、患者および医療従事者は、DTCの病勢進行を遅らせるのに役立つ新たな治療法を手にしたのです」と同医師は語る。

 

レンバチニブは、薬剤の迅速審査を可能とするFDA優先審査プログラムに基づいて審査された。同プログラムは、承認された場合に重篤な状態における治療の安全性または有効性に意味のある改善をもたらすであろう薬剤の審査を迅速に進める制度である。さらに、レンバチニブは、まれな疾患の治療を目的とする薬剤であることから、オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)の指定を受けた。レンバチニブは、FDAが処方せん薬ユーザーフィー法(prescription drug user fee)に基づき本承認申請の審査を完了する予定日とする審査終了目標日、2015年4月14日よりも約2カ月早く承認されることとなる。

 

レンバチニブの有効性は、放射性ヨウ素治療に反応しない進行性DTC患者392人を対象に、レンバチニブまたはプラセボのいずれかを投与するランダム化臨床試験で確定された。本試験結果によると、レンバチニブ治療を受けた患者は、癌の進行なく生存した期間(無増悪生存期間)の中央値が18.3カ月であったのに対して、プラセボ投与を受けた患者では、同期間の中央値は3.6カ月であった。さらに、レンバチニブによる治療を受けた患者の65%に腫瘍の縮小がみられたのに対して、プラセボ投与を受けた患者では腫瘍の縮小がみられたのは2%であった。プラセボ投与群に無作為に割り付けられた患者のほとんどが、病勢進行を期にレンバチニブによる治療を受けた。

 

レンバチニブ治療を受けた患者に最も多くみられた副作用は、血圧上昇(高血圧)、疲労感、下痢、関節や筋肉の痛み(関節痛、筋痛)、食欲減退、体重減少、悪心、口内炎、頭痛、嘔吐、尿蛋白増加(蛋白尿)、手掌や足底部の腫脹・疼痛(手足症候群)、腹痛、声質・声量の変化(発声障害)であった。

 

レンバチニブは、心不全、血栓形成(動脈性血栓塞栓症)、肝障害(肝毒性)、腎障害(腎不全)、胃腸穿孔、胃腸管の異常交通(瘻孔形成)、心電図異常(QT延長)、低カルシウム血症、頭痛・錯乱・痙攣・視覚異常の併発(可逆性後頭白質脳症症候群)、重篤な出血、治療中に妊娠した場合の胎児へのリスク、甲状腺刺激ホルモンの産生抑制異常などといった、重篤な副作用を引き起こす可能性がある。

 

レンバチニブは、ニュージャージー州、ウッドクリフ・レイクに本拠を置くEisai Inc.社が販売している。

原文掲載日

翻訳谷口 淳

監修東 光久(血液癌・腫瘍内科領域担当/天理よろず相談所病院)

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