OncoLog 2013年11-12月号◆House Call「禁煙で得られる健康上の利益」 | 海外がん医療情報リファレンス

OncoLog 2013年11-12月号◆House Call「禁煙で得られる健康上の利益」

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OncoLog 2013年11-12月号◆House Call「禁煙で得られる健康上の利益」

MDアンダーソンがんセンター月刊OncoLog誌2013年11-12月号

MDアンダーソン OncoLog 2013年11-12月号(Volume 58 / Numbers 11-12)

 Oncologとは、米国MDアンダーソンがんセンターが発行する最新の癌研究とケアについてのオンラインおよび紙媒体の月刊情報誌です。最新号URL最新号URL

 

禁煙で得られる健康上の利益
決して遅すぎることはないが早ければ早いほど良い

今では喫煙が危険であると皆が知っている。しかし禁煙により、健康がどれだけ著しく改善するかをほとんどの人は認識していない。それは今、あなたが何歳であろうが、喫煙歴が長かろうが関係はないのである。

 

喫煙の危険性

米国疾病対策センター(CDC)によれば、ほぼ5人に1人が喫煙の影響で死亡しており、米国では毎年44万人以上もの人が早世する原因となっている。CDCの評価では、成人男性喫煙者は、喫煙により平均で寿命が13.2年短くなり、女性においては14.5年も短くなる。

 

喫煙は肺、口腔、咽喉、腎臓、膀胱、膵臓、胃、そして子宮頸部といった多くの癌の筆頭原因の一つである。

 

また喫煙は、心疾患、脳卒中、慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎および肺気腫)、そして喘息といった病気の原因にもなり得る。加えて言えば、喫煙者は非喫煙者よりも股関節部骨折および白内障の高いリスクを有する。

 

述べるのが最後になったが、喫煙する妊婦では流産あるいは低出生体重児を出産する可能性が高くなる。低体重で生まれた子供は幼年期に死亡する可能性も高まり、また身体的あるいは学習上での問題を持つ可能性が上がる。

 

禁煙で得られるベネフィット

良いニュースをあげれば、年齢にかかわらず、禁煙によって健康改善効果が速やかに得られることである。このベネフィットは、すでに喫煙関連疾患を患っている人にももたらされる。禁煙をすれば、最初の1日で色々な効果を体験するのである。

 

米国公衆衛生局長官によれば、喫煙で上昇した心拍数と血圧は、喫煙を止めた20分後には正常に戻る。血中の一酸化炭素のレベルは禁煙から12時間以内に正常レベルに下がる。

 

タバコを止めると嗅覚が正常に戻り、食べ物がおいしくなったことに早い段階で気づくかもしれない。そして階段を上ったり、家事をしている最中に起きる息切れに悩まされることもなくなる。

 

禁煙は外見にも好ましい効果をもたらす。ヤニで汚れた歯は白くなり、指先や爪の黄色い変色も消える。また服や髪の毛についた嫌な臭いも消えるのである。

 

禁煙を継続すれば、健康へのベネフィットは増大し、2~3カ月で血液循環が改善し、肺機能が改善する。心臓発作が起こるリスクも減り始める。

 

妊娠前、あるいは妊娠から4カ月以内に禁煙を始めた女性では、低出生体重児出産のリスクが、喫煙したことがない女性と同じレベルにまで下がる。

 

1カ月から9カ月で咳も減る。肺から粘液を外へ出す役割を持つ線毛と呼ばれる髪の毛様の小器官が正常な機能を取り戻し始め、肺を浄化し感染症のリスクを減らす。

 

禁煙から1年後、冠状動脈性疾患のリスクは、喫煙したことがない人よりは依然として高いものの、加わるリスクは喫煙を続ける者の半分である。5年後、口腔、咽喉および膀胱での癌リスクは半分になる。子宮頸癌リスクは生涯喫煙しない人と同等レベルにまで下がる。脳卒中のリスクは、たった2年から5年で、生涯喫煙しない人と同じレベルになる。

 

10年経つまでには、喉頭(声帯)および膵臓癌のリスクは低下している。この頃には肺癌で死亡するリスクは、喫煙を続けた場合の半分である。15年後、冠状動脈性疾患のリスクはタバコを吸ったことのない人と同等になっている。

 

何歳で禁煙しようとも、健康を改善するベネフィットを得ることができる。複数の試験によれば、30歳前後で禁煙した人は、喫煙関連疾患によって早世する危険性が、そのまま喫煙を続けた場合よりも90%以上減り、50歳で禁煙した場合でも50%程度減する。60歳で禁煙した人も、禁煙しなかった同年齢の人よりも長生きする。

 

あなたが喫煙者であれば、禁煙こそが健康を改善し、元気で長生きできる唯一の最も重要な手段であると心得て欲しい。

— K. Stuyck

 

The information from OncoLog is provided for educational purposes only. While great care has been taken to ensure the accuracy of the information provided in OncoLog, The University of Texas MD Anderson Cancer Center and its employees cannot be held responsible for errors or any consequences arising from the use of this information. All medical information should be reviewed with a health-care provider. In addition, translation of this article into Japanese has been independently performed by the Japan Association of Medical Translation for Cancer and MD Anderson and its employees cannot be held responsible for any errors in translation.
OncoLogに掲載される情報は、教育的目的に限って提供されています。 OncoLogが提供する情報は正確を期すよう細心の注意を払っていますが、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターおよびその関係者は、誤りがあっても、また本情報を使用することによっていかなる結果が生じても、一切責任を負うことができません。 医療情報は、必ず医療者に確認し見直して下さい。 加えて、当記事の日本語訳は(社)日本癌医療翻訳アソシエイツが独自に作成したものであり、MDアンダーソンおよびその関係者はいかなる誤訳についても一切責任を負うことができません。

原文掲載日

翻訳岡田章代

監修廣田 裕 (呼吸器外科/とみます外科プライマリーケアクリニック)

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