レゴラフェニブのFDA承認 | 海外がん医療情報リファレンス

レゴラフェニブのFDA承認

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

レゴラフェニブのFDA承認

原文 2012/09/28掲載 2013/07/03更新

商標名:  Stivarga®

臨床試験情報、安全性、投与量、薬物間の相互作用および禁忌などの全処方情報がfull prescribing information(英文)で参照できます。

進行消化管間質腫瘍(GIST)に承認
治療歴のある転移大腸癌に承認

進行消化管間質腫瘍GIST
2013年2月25日、米国食品医薬品局(FDA)は、レゴラフェニブ(Stivarga®、バイエルヘルスケア製薬社製)を、外科手術での除去が不可能で、FDAが承認したその他2つのGIST治療薬であるイマチニブ(グリーベック)およびスニチニブ(スーテント)にもはや反応を示さない進行消化管間質腫瘍(GIST)患者の治療にも範囲を拡大して使用を承認しました。

レゴラフェニブは、十分な代替療法がない場合に安全で効果的な療法が実現できる可能性のある薬剤、または市販の製品と比較して大幅な改善が得られる薬剤を迅速に6か月で審査を行うFDAの優先審査プログラムで審査を受けました。本薬剤はまた、希少疾患の治療を対象にしていたため、オーファン・ドラッグの指定を受けていました。米国立癌研究所によると、米国では毎年、新たに3,300から6,000例のGISTが発生すると推定されており、その多くは高齢者です。

この承認は、組織学的に診断された転移または切除不可能なGIST患者で、以前イマチニブによる治療を受けた際に病状が進行した、またはイマチニブに対し不耐性がある、さらに以前スニチニブよる治療を受けた際に病状が進行した199人が参加した国際共同ランダム化二重盲検プラセボ対照臨床試験の結果に基づいています。患者は、1日160mgのレゴラフェニブ投与群(n=133)とプラセボ投与群(n=66)に(2:1の割合で)無作為に割り当てられ、1サイクル4週間のうち最初の3週間経口投与を受けました。また、患者全員が、副作用と癌の症状を管理する治療を含む緩和維持療法を受けました。

本試験で患者は、癌が進行するか副作用が容認できない状態になるまでレゴラフェニブまたはプラセボの投与を受けました。プラセボを受けた患者は、癌が進行した場合、レゴラフェニブに変更する機会が与えられました。主要エンドポイントは、無増悪生存期間(PFS)です。レゴラフェニブを投与された患者のPFSの中央値は4.8か月(IQR 1.4~9.2か月)で、プラセボを投与された患者は、0.9か月(IQR 0.9~1.8か月)でした(進行のハザード比は0.27、95%CI:0.19, 0.39; p<0.0001)。癌が進行した後、プラセボ群に割り当てられた患者56人(85%)がレゴラフェニブの治療に移行しました。

薬剤に関連した有害事象が、レゴラフェニブ群を割り当てられた患者130人(95%)、プラセボ群に割り当てられた患者45人(68%)において報告されました。最も頻繁に見られたレゴラフェニブに関連したグレード3以上の有害事象は、高血圧、手足皮膚反応および下痢でした。

患者の1%未満に発症した重篤な副作用は、肝障害、重度の出血、水泡および皮膚の剥離、緊急処置が必要な重症高血圧、心臓発作および腸の穿孔(穴)でした。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
松長えみ訳
林正樹(血液・腫瘍内科/社会医療法人敬愛会中頭病院)監修
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

治療歴のある転移大腸癌

2012年9月27日に米国食品医薬品局(FDA)はレゴラフェニブ (Stivarga® 錠、バイエル ヘルスケア製薬)をフルオロピリミジン、オキサリプラチン、またはイリノテカンと抗VEGF療法、またはKRAS野生型の場合での抗EGFR療法併用による化学療法施行後の転移性大腸癌患者(mCRC)の治療薬として承認しました。

レゴラフェニブとその活性代謝物には、正常な細胞機能および病理過程に関わる複数の膜結合型細胞内キナーゼ(RET、VEGFR1、 VEGFR2、 VEGFR3、 KIT、 PDGFR-alpha、 PDGFR-beta、 FGFR1、 FGFR2、 TIE2、 DDR2、 Trk2A、 Eph2A、 RAF-1、 BRAF、 BRAFV600E、 SAPK2、 PTK5、およびAbl タンパクシグナル伝達経路など)の阻害作用があります。

今回の承認は、治療歴のあるmCRC患者760人が登録した、国際共同ランダム化(2:1)二重盲検プラセボ対照臨床試験 (14387試験)の結果に基づくものです。すべての患者はフルオロピリミジン、オキサリプラチン、またはイリノテカンと、ベバシツマブによる抗 VEGF 療法を併用して受けていました。1人を除き、KRAS野生型腫瘍を有するすべての患者はパニツムマブまたはセツキシマブによる抗EGFR療法を受けていました。 レゴラフェニブ投与群の患者は、28日を1サイクルとし、1日目から21日目までレゴラフェニブ160 mgの経口投与1日1回と支持療法(BSC)を受け、対照群には同様にプラセボ投与と支持療法(BSC)が行われました。

レゴラフェニブ投与群に無作為に割り付けられた患者では全生存期間が統計学的に有意に延長されました [HR 0.77(95%CI: 0.64, 0.94) p=0.0102]。全生存期間の中央値はレゴラフェニブ投与群で6.4カ月(95%CI: 5.8, 7.3)に対し、プラセボ群で5.0 カ月(95 %CI: 4.4, 5.8)でした。

この臨床試験ではまたレゴラフェニブ投与群の患者の無増悪生存期間が統計学的に有意に改善したことが示されました。[HR 0.49(95%CI: 0.42, 0.58) p<0.0001 ] 無増悪生存期間の中央値はレゴラフェニブ群が2カ月(95 %CI: 1.9, 2.3)に対し、プラセボ投与群が1.7 カ月(95%CI: 1.7, 1.8) でした。 全奏効率には両群で差はみられませんでした。レゴラフェニブ投与群で5人(1 %)、プラセボ投与群で1人 (0.4 %)に部分奏効が認められました。

14387試験の安全性解析対象集団はレゴラフェニブ投与群500人、プラセボ投与群253人でした。最も頻度が高い(患者の30%以上にみられた)有害事象はレゴラフェニブ 群で無力症/疲労、食欲および食物摂取の減少、手足皮膚反応、下痢、粘膜炎、体重減少、感染症、高血圧、および発声障害でした。

レゴラフェニブ投与患者での最も重篤な有害事象は、肝毒性、出血、および消化管穿孔でした。肝毒性のリスクを知らせる警告を記載することを条件にレゴラフェニブは承認されました。

推奨用量および投与スケジュールは28日を1サイクルとし、レゴラフェニブを1日目から21日目まで1日1回160mg(40mg錠を4錠)を経口投与するものとします。

-------------------------
芝原広子 訳
辻村信一(獣医学/農学博士、メディカルライター)監修
-------------------------

この薬剤情報のサマリーは、FDA抗腫瘍薬製品室長のRichard Pazdur医師により作成されています。米国食品医薬品局(FDA)とは米国保健社会福祉省(HHS)の一部門で、新薬その他の製品の安全性と有効性を確保するための機関です。 (FDA:医薬品・医療機器の承認方法の理解(原文)を参照。
FDAの使命は、安全かつ有効な製品の迅速な市場流通を促し、流通後も継続的に製品の安全性を監視することによって、国民の健康を守り、推進することです。

原文掲載日

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

関連薬剤情報

一覧

週間ランキング

  1. 1非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  2. 2リンパ腫患者の余命は、診断後の無再発期間2年経過で通...
  3. 3乳がん検診におけるマンモグラフィの検査法を比較する新...
  4. 4ルミナールA乳がんでは術後化学療法の効果は認められず
  5. 5免疫療法薬の併用はタイミングと順序が重要
  6. 6ASH年次総会で血液がん化学療法の最新知見をMDアン...
  7. 7BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  8. 8若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い
  9. 9アブラキサンは膵臓癌患者の生存を改善する
  10. 10コーヒーが、乳がん治療薬タモキシフェンの効果を高める...

お勧め出版物

一覧

arrow_upward

ユーザー 病名 発信元種別 発信元名 治療法別 がんのケア がんの原因・がんリスク がん予防 基礎研究 医療・社会的トピック 注目キーワード別 薬剤情報名種別

女性のがん
消化器がん
泌尿器がん
肉腫
血液腫瘍
その他
民間機関
その他