Cabozantinib(カボザンチニブ)は甲状腺髄様癌に有益

キャンサーコンサルタンツ

第3相臨床試験で、被験薬Cabozantinib(カボザンチニブ)は進行性甲状腺髄様癌の進行を有意に抑えた。試験結果の詳細は近々医学会議で発表される予定である。

甲状腺髄様癌は甲状腺癌全体の約2~3%を占めている。甲状腺髄様癌は、より一般的な種類の甲状腺癌と比べて予後がやや悪い傾向にあり、25%までが遺伝性であると考えられている。切除可能であれば、甲状腺切除術によって治療が行われる。従来の化学療法では甲状腺髄様癌に対する有効性が限定的であるため、分子標的治療薬による新しい治療法に関心が高まっている。

カボザンチニブは数種類の癌を成長させる一因となっている特異的な生物学的経路(MET経路およびVEGFR2経路)を標的にする。

甲状腺髄様癌の治療でカボザンチニブを評価するため、研究者らはEXAMと呼ばれる国際共同第3相臨床試験を実施した。試験には、悪化し外科的に切除困難な進行性甲状腺髄様癌患者が組み入れられた。参加者はカボザンチニブまたはプラセボのいずれかの投与を受けた。

カボザンチニブは癌の進行(悪化)を抑えた。癌の無増悪生存期間はカボザンチニブ群で11.2カ月、プラセボ群で4.0カ月であった。カボザンチニブが全生存期間に与える影響にも関心が集まっているが、全生存期間を評価するにはより長期の追跡調査が必要とされる。

より完全な試験結果が、近々医学会議で発表される予定である。

参考文献:

Exelixis press release. Exelixis’ cabozantinib meets primary endpoint in phase III clinical trial for medullary thyroid cancer. October 24, 2011.


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翻訳担当者 可部真知子

監修 須藤智久(薬学、臨床試験/国立がん研究センター)

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