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米国タバコ規制法10周年を迎え、米国がん学会がFDAの貢献を評価

AACRが電子タバコなどの新たなタバコ製品に対する一層の注意喚起

米国がん学会(AACR)は、米国人の喫煙を防止する政策を展開、支援するために米国食品医薬品局(FDA)と協力することを誇りとしてきた。6月末に、家庭内喫煙防止およびタバコ規制法は10周年を迎える。

この法律は、すべてのタバコ製品の製造、流通、および販売を規制し、タバコ製品とそれらの使用がもたらす危険性について公衆を教育することによってタバコに関連する死亡および疾患から米国人を守るため、FDAに権限が与えられた初めての法律である。結果としてFDAは、家庭内喫煙防止およびタバコ規制法の実施に責任を担う、タバコ製品センターを設立した。

「過去10年間、FDAは公衆衛生に対するタバコの影響を減らす、タバコ製品の規制についての枠組みを作ることに成功してきました」と、AACRの最高責任者であるMargaret Foti名誉医学博士は語った。「AACRは、新たに登場したタバコ製品のエビデンス(科学的根拠)をFDAが構築することを助け、そしてFDAの規制者と協力して公衆衛生を守る政策を作成することを誇りとしています。われわれは今後数十年間にわたり連携できることを期待しています」。

タバコ製品センターの取り組みには、新しいタバコ製品に関する研究への重点的支援(新しいタバコ製品の研究は、紙巻きタバコおよび無煙タバコ製品の研究ほど多くは行われていない)、審査のために提出された市販前申請の効果的評価にきわめて重要な行政科学研究の改善に焦点を当てること、達成可能な製品規格を用いて燃焼式巻きタバコのニコチン濃度を依存性のない水準まで引き下げることについての公開討論会の開始などがある。さらに、タバコ製品使用のリスクを有する集団に喫煙の危険性を教育するため、FDAは、ターゲットを絞ったメディア配信を用いた、いくつかの科学的根拠のある公衆教育キャンペーンに投資を行っている。

しかし米国では、国内の喫煙率低下には大きな進展がみられるにもかかわらず、喫煙は予防可能な死亡および疾患の第一の原因であり続けている。事実、喫煙はすべてのがんの死亡および発病の原因の30%を占め、肺がん、頭頸部がん、胃がん、膵臓がん、大腸がん、および子宮頸がんを含む、ヒトにおける18種の異なるがんと因果関係がある。さらに近年、電子タバコの人気が高まりつつあるため、中高校生の間で喫煙率が上昇している。そのため連邦保健当局は、この若年層における喫煙率の劇的な上昇を「流行性」と呼んでいる。

「この1年だけで、米国の十代の若者の喫煙者数は40%近く増加し、数十年にわたる進歩が逆転する恐れがあります」と、エール総合がんセンター腫瘍内科責任者でAACRのタバコ製品およびがん小委員会(the AACR’s Subcommittee on Tobacco Products and Cancer)の議長であるRoy S. Herbst医師/医学博士は語った。「2017年から2018年までに、電子タバコを使用した高校生の数は78%上昇し、中学生においても48%上昇しました」。

「ほぼすべての喫煙は若年から始まります。そのため、若者および若年成人が電子タバコを使用すると、生涯にわたる影響を受ける恐れがあります」と、ネーションワイド小児病院ゲノム医学研究所共同常務取締役でAACR会長のElaine R. Mardis医学博士は語った。「この事実こそが、AACRがタバコ製品の購入年齢を21歳に引き上げるため、子供にとって魅力的な電子タバコのフレーバーを禁止するため、そしてこれらの器具を若者および若年成人から遠ざける他の手段を実行するための様々な議会への提案に協力を惜しまない大きな理由です」。

喫煙および健康の米国疾病管理予防センターによると、喫煙者の10人に9人は、18歳未満で喫煙を開始する。タバコ製品を購入する最低年齢を引き上げることが、特に米国の高校生によるタバコへのアクセスを制限し、若者のニコチン依存のリスクを軽減するであろう。

AACRはタバコ管理政策への関与の一環として、2019年6月12日に米国議会で電子タバコによる公衆衛生危機の可能性に焦点を当てた状況報告会を主催した。この報告会では、政策立案者と公衆に対して、電子タバコ使用に関する最新の傾向、これらの製品による害に関する科学的知識、および若者のタバコ使用を抑制するための行政の取り組みについての最新情報の報告が行われた。

「AACRは、若者および若年成人がニコチン依存の悪影響に苦しみ、燃焼式タバコの使用へと移行する可能性を非常に懸念しています」と、Foti氏は語った。「家庭内喫煙防止およびタバコ規制法10周年を機に、AACRは若者をニコチン依存の危険から守ると共に、がんの予防と治癒というわれわれの使命を進める政策を提唱するため、引き続きFDAおよび立法者と協力して責任を果たしていく固い決意です」。

翻訳串間貴絵

監修久保田馨(呼吸器内科/日本医科大学付属病院 がん診療センター)、

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