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喫煙が女性の膀胱癌の半数に関与:NCI プレスリリース

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喫煙が女性の膀胱癌の半数に関与:NCI プレスリリース

NCIプレスリリース2011年8月16日

米国国立衛生研究所(NIH)の研究により、喫煙による膀胱癌のリスクは、過去の推測リスクよりも高いことが裏付けられた

喫煙者が膀胱癌にかかるリスクは、過去に報告されたよりも高く、女性喫煙者のリスクは男性喫煙者と同等である。こうした知見が、米国国立衛生研究所(NIH)傘下の米国国立癌研究所(NCI)による試験から得られた。本試験結果は、2011年8月16日付けJournal of the American Medical Association(JAMA)誌に掲載されている。

この最新の試験では、1995年に開始された質問紙調査(NIH-AARP Diet and Health Study)の参加者45万人以上を、2006年末まで追跡したデータを用いている。

これまでの試験では、女性の膀胱癌のうち喫煙に起因するのは20~30%にすぎないとされていたが、今回の試験結果は約半数が喫煙によるものであることを示している。これは、過去から最近にかけて実施された試験で、男性の膀胱癌に認められた割合と同等である。米国疾病管理予防センター(CDC)が実施した調査によれば、最近の試験や米国人口全体に対する割合から男女の喫煙割合がほぼ等しくなっており、女性間で喫煙による膀胱癌の割合が増加したのは、おそらく女性の喫煙が普及したことが原因であろう。初期の試験の大半は、女性の喫煙があまり一般的ではない時期や地域で実施されていた。

喫煙によってもたらされるリスク量(過剰リスクと呼ばれる)は、今回の試験結果の方が過去に報告されたよりも高いことが明らかになった。「喫煙者が膀胱癌を発症する過剰リスクは、過去の試験では3倍でしたが、われわれが実施した試験では4倍となりました。喫煙と膀胱癌の関連性が強くなっているのは、年月がたってタバコの含有成分や喫煙習慣が変化したためかもしれません」と試験著者であるNCI癌疫学・遺伝学部門(DCEG)のNeal Freedman博士は述べた。「米国全体での喫煙率は低下しているにもかかわらず、膀胱癌の発症率はここ30年で比較的一定しています。1990年代半ばから後半にかけての試験報告に比べてリスクが上昇したことで、膀胱癌の発症率が減っていない理由を説明できると考えられます」。

タバコ煙中のタールおよびニコチンの濃度は減少しているにもかかわらず、膀胱癌に関連するある種の発癌物質の濃度は明らかに増加している。2009年のNCI/DCEG試験は、喫煙に起因する膀胱癌のリスクが過去に報告されたよりも高くなっていることを示唆した最初の試験であった。その試験はNew England Bladder Cancer Studyのデータを基にしたもので、喫煙と膀胱癌リスクの関連性が1990年代半ばよりも強くなっている傾向にあることを明らかにした。今回の試験結果は、この2009年の報告を裏付けるものとなった。

最近の試験結果によると、喫煙経験のある人は、一度も喫煙したことのない人に比べて膀胱癌の発症リスクは2倍となり、現在も喫煙中の人ではリスクは4倍になった。また、他の多くの喫煙に関連する癌と同様に、禁煙は膀胱癌のリスク低下に関連した。少なくとも10年間禁煙状態であった参加者では、禁煙期間がそれよりも短かった参加者または喫煙を続けている参加者と比較して、膀胱癌の発症率は低下した。

「われわれが得た試験結果から、喫煙開始の防止や禁煙促進が男性・女性の両方において重要であることを裏付ける新たな証拠が示されました」と統括著者であり、DCEGの一員でもあるChristian Abnet博士は述べた。「喫煙率が減少しているとはいえ、米国の成人のうち約20%は喫煙を続けているのです」。

喫煙がもたらすリスクは男女同等であるにもかかわらず、男性が膀胱癌と診断される割合はおよそ4倍である。これらの結果は過去の試験結果と同様であり、喫煙率の違いは米国の男性における高い発症率の理由の一端でしかないことが示唆される。研究者らは、生理学的な差異だけでなく、職業被曝も性差に起因している可能性があるとしている。

2011年米国において、膀胱癌と診断されるのは約69,250人、本疾患による死亡は14,990人と推測されている。

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NCI癌疫学・遺伝学部門(DCEG)に関する詳しい情報はこちら

禁煙に関する情報、タバコをやめたい人への情報源はこちら,、または1-800-QUIT-NOWまでお電話を。

NCIは米国癌プログラム(National Cancer Program)をリードしており、NIHは予防および癌生物学の研究、新規治療法の開発、新たな研究者のトレーニングや指導などを通して、劇的に癌の苦しみを減らすため、癌患者とその家族の生活を改善するために取り組んでいる。癌に関する詳しい情報はNCI Webサイト参照するか、NCI癌インフォメーションサービス1-800-4-CANCER (1-800-422-6237)までお電話を。

米国国立衛生研究所(NIH)について:米国の国立医学研究機関であるNIHは、27の施設とセンターから構成されており、米国保健社会福祉省の1機関である。主要な連邦機関として基礎研究、臨床研究および両者の橋渡し的な研究を実施し、かつ支援を行っている。また、一般的な疾患から希少疾患までその原因、治療および治癒に関する調査も実施している。NIHに関する情報、NIHが実施している研究に関する情報に関してはこちらを参照のこと。

参考文献: Freedman ND, Silverman DT, Hollenbeck AR, Schatzkin A, and Abnet CC. Association between smoking and risk of bladder cancer among men and women. JAMA.  Online August 16, 2011.

 

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濱田 希 訳

林 正樹(血液・腫瘍科)監修
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原文

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