1日15分の適度な運動により寿命が延びることが研究により明らかに/MDアンダーソンがんセンター | 海外がん医療情報リファレンス

1日15分の適度な運動により寿命が延びることが研究により明らかに/MDアンダーソンがんセンター

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1日15分の適度な運動により寿命が延びることが研究により明らかに/MDアンダーソンがんセンター

運動が健康にもたらす良い効果は基準とされる30分に達しない場合にも現れることがわかった

MDアンダーソンがんセンター

2011年8月16日

Lancet誌に本日発表された研究によると、台湾人で1日15分または週92分運動を行う人の平均寿命は運動しない人と比較して3年長かったという。

「非常に軽度な運動により、死因に関係なく死亡率が14%低くなった。」とテキサス州立大学MDアンダーソンがんセンター疫学部教授で学部長のXifeng Wu医学博士は述べた。同氏によれば「これまでの研究結果から推奨されている週150分の運動時間に満たない場合でも、運動による健康効果は著しいようである。」

また、第一著者であるNational Health Research Institutes of TaiwanのChi-Pan医師らは一連の研究の中で、1日最大100分までは運動時間が15分増えるごとに、死因に関係なく死亡リスクが4%ずつ低くなることも発見した。1日30分の運動を行った場合平均寿命は約4年長くなった。

「これらの効果は年齢層、性別に関係なく、また心血管疾患患者にも当てはまっていた」と著者は述べている。

運動をしていなかった台湾人が軽い運動を毎日行った場合、死亡リスクの減少により6人中1人の寿命が延びたと著者は述べている。これは禁煙プログラムが成功した場合と同じ程度の死亡率の減少であると推定される。

この前向き観察研究は、1996年から2008年にかけてMJ Health Management Institutionが実施した、標準的な医療スクリーニングプログラムに参加した416,175人の台湾人を対象としたもので、参加者をその後平均8年間追跡した。

運動に関する調査の目的で、参加者には病歴および生活スタイル情報を含んだアンケートに記入してもらった。参加者は前月の運動に関して、1週間に行った身体運動の程度-軽度(ウォーキング)、中程度(早歩き)、激しい(ジョギング)、非常に激しい(ランニング)-と運動時間を示した。

職業的な影響を明らかにするため、参加者には職場での身体活動についてもデスクワークから激しい身体的作業の範囲で示してもらった。

時間に自由のある時に行う身体運動が週1時間に満たないと答えた参加者は「運動をしていない」に分類し、全参加者の54%が該当した。その他の参加者についても運動の程度と継続時間をもとに軽度、中程度、激しい、非常に激しいに分類した。研究者らは各グループの死亡リスクおよび平均寿命を算出した。

その他にも次の13項目について分析を行った。年齢、性別、教育水準、職場における身体的作業、喫煙、飲酒、空腹時血糖、収縮期血圧、総コレステロール、BMI値、糖尿病、高血圧および癌既往歴。

軽度な運動を行っていた人達は、運動をしていない人達に比べて、年齢、性別、健康状態、喫煙、飲酒、あるいは心血管疾患リスクに関係なく死亡率が低かった。

WHOおよび米国疾病予防管理センター(CDC: Centers for Disease Control and Prevention)が、少なくとも週に中程度の運動を150分行うことを推奨していることにも研究者らは触れている。米国の成人の3分の1がこの基準を満たしている一方で、中国、日本、台湾の成人の場合には20%しかこの基準を満たしていない。

「東アジアの人達に対しては1日15分の運動を推奨することを推進するべきだ」と著者は述べている。国によって健康効果を得るために必要な運動の総時間あるいは程度は異なるかもしれないが、中程度の運動で死亡率が減少した今回の研究結果は、他の国の人達にも当てはまるかもしれないとWu氏は述べている。「これらの研究結果は、人々に自分たちが出来る範囲の運動をするよう促し、また運動時間が1日30分のガイドラインに届かないことをストレスと感じないようにできるかもしれない」とWu氏は述べている。

この研究はWu氏、Wen氏、そして600,000人以上の参加者のデータベースを有する大手健康スクリーニング企業のMJ Health Groupのはじめての共同研究である。彼らはこの研究プロジェクトを行うためにAsian Health Screening Cohortを結成した。Wu氏はChina Medical University Hospitalに勤務するWen氏と共に科学的な専門知識を提供し、MJ Health Groupは患者の疫学および臨床データ、また組織サンプルのバイオバンクを提供する。

現在進行中の別の2つの共同プロジェクトには、肝臓癌リスク予測モデルの開発とテロメア長、遺伝子変異、および癌リスクに関する研究がある。2番目のプロジェクトにはMDアンダーソンSister Institute Network Fund Grantが助成をしている。MDアンダーソンとChina Medical University Hospitalとは姉妹施設提携している。

この運動に関するプロジェクトにはTaiwan Department of Health Clinical TrialおよびResearch Center of Excellence and the Taiwan National Health Research Institutesが助成をしている。

Wen氏とWu氏以外の他の共著者は以下の通りである:co-lead author Jackson Pui Man Wai, Ph.D., of the Institute of Sport Science, National Taiwan Sport University; Min Kuang Tsai, Yi Chen Yang and Hui Ting Chan of the Institute of Population Science, Taiwan National Health Research Institutes; Tsai and Yang also are with the China Medical University Hospital; Ting Yuan David Cheng, University of Washington Department of Epidemiology; Meng-Chih Lee, M.D., Institute of Medicine and Department of Family and Community Medicine, Chung Shan Medical University and Hospital; Chwen Keng Tsao of MJ Health Management Insitution; and Shan Pou Tsai, Ph.D., The University of Texas School of Public Health at Houston.

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金井 太郎 訳
朝井 鈴佳 (獣医学、免疫学) 監修
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原文

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