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アスピリンが大腸癌を予防する可能性がより多くの証拠から示唆される

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アスピリンが大腸癌を予防する可能性がより多くの証拠から示唆される

More Evidence Suggests Aspirin May Prevent Colorectal Cancer(Posted: 12/07/2010) – 2010年10月21日付「Lancet」誌電子版によれば、長期的なアスピリンの日常的服用が結腸直腸癌の発症リスクと死亡リスクを下げる可能性があることが新たなメタ解析からわかった。

NCIキャンサーブレティン2010年11月2日掲載記事より(最新号日本語版はこちら

大腸(結腸直腸)腺腫と前癌性ポリープに対してはアスピリンとセレコキシブ(COX-2選択的阻害剤)が、その発生リスクの高い人において危険性を減少させることがこれまでの結果から示されているが、新たにメタアナリシスを行った結果、長期にわたってアスピリンを日常的に使用することで大腸癌とそれによる死亡が減少することが示された。本結果は10月21日付けLancet誌の電子版に掲載された。

オックスフォード大学のDr. Peter Rothwell氏らは、英国、スウェーデン、オランダで行われた5件の無作為化試験に登録された14,000人以上の統合データから、20年間のリスク推定値を算出した。試験は心臓発作や脳卒中のリスクに対するアスピリンの効果を検証するように計画されたものであったが、同時に癌に関するデータも収集された。およそ5年間日常的にアスピリンを少なくとも75mg服用していた患者は、大腸癌の発症リスクが24%低下し、またそれによる死亡リスクは35%低下したことが明らかとなった。

結腸内部位に対してデータが得られたこれら研究に関し、アスピリンの予防的効果は主に近位結腸に限定されるように思われ、発生率減少はおよそ55%であった。遠位結腸における癌については、発生率減少は認められなかった。この部位の区別は重要である。というのは、S状結腸鏡検査(ヨーロッパで広く行われているスクリーニング方法)では近位結腸内の癌を検出しないためである。(米国で通常行われる大腸内視鏡検査では全結腸を検査するが、主に遠位結腸に有益性が限定される)。

著者らは本研究上にある多数の限界を認めている。例えば、「私たちはアスピリンを長期使用した場合のリスクと効果の全体的なバランスに対し、大腸癌による死亡の減少効果をモデル化しなかった」と記している。アスピリンの長期使用については、嘔気、胸焼け、過敏症、腸、腸管、胃などからの出血を起こす可能性がある。さらに、本研究に含まれる5件の試験は「腺腫の内視鏡スクリーニング導入前のものであり、これが大腸癌の発生率や死亡率をも減らし、したがってアスピリンの絶対的効果を低下させている可能性がある」とも記している。

「これら知見は5年間の投与後の最も長い追跡データを表しており、また積年の疑問である『予防効果にどのぐらいの投与量が必要か』に対する回答でもある。本研究から、最適な使用量は75mgであることが示唆されている」と、テキサス大学M.D.アンダーソンがんセンターのDr. Ernest Hawk氏は述べている。

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 山下 裕子 訳

九鬼 貴美(腎臓内科) 監修

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