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ホジキンリンパ腫新規薬剤の腫瘍縮小効果は大きい

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ホジキンリンパ腫新規薬剤の腫瘍縮小効果は大きい

Novel Drug Effectively Shrinks Tumors in Hodgkin Lymphoma

(Posted: 12/07/2010) – 2010年11月4日付「New England Journal of Medicine」誌によれば、強力な化学治療薬と結合させたモノクローナル抗体配合の臨床試験薬の第1相臨床試験で、ホジキンリンパ腫患者の約40%に完全な腫瘍消失もしくは大幅な腫瘍縮小がもたらされた。

NCIキャンサーブレティン2010年11月16日掲載記事より(最新号日本語版はこちら

先週、強力な化学治療薬と結合させたモノクローナル抗体からなる臨床試験薬が、第1相臨床試験でホジキンリンパ腫患者の約40%に完全な腫瘍消失もしくは大幅な腫瘍縮小をもたらしたと報告された。結果は11月4日付のNew England Journal of Medicine誌に発表された。

臨床試験では、前治療(幹細胞移植を含む)からの再発もしくは標準治療抵抗性であるホジキンリンパ腫患者42人および未分化大細胞リンパ腫(ALCL)患者3人に対して、ブレンツキシマブ・ベドチン(SGN-35)が投与された。この薬剤の抗体部分はリンパ腫細胞表面上のCD30と呼ばれるタンパク質を標的としている。抗体と結合しているのはモノメチル・アウリスタチンE(MMAE)と呼ばれる強力な試験中の化学療法薬である。

Seattle Genetics社が開発したMMAEは、同社によれば、他の化学療法治療薬と比較して100倍から1,000倍の効力を持つという。抗体はこの薬剤を癌細胞に直接結合させ、吸収され癌細胞核の酵素により変性を受けることで、MMAEを放出し癌細胞を死滅させる。

中等度の奏効が認められた患者17人のうち、11人は治療後に腫瘍は認められなかった(完全寛解)。また、残りの患者には50%以上の腫瘍縮小が認められた(部分寛解)。この試験は第1相試験であるため、患者により投与量は異なっていた。もっとも奏効が高く,重症な副作用がもっとも少ない用量(最大耐量)を投与された12人の患者のうち、6人に中等度の奏効が認められた。全般に試験に参加した患者の86%に少なくともいくらかの腫瘍縮小が認められ、副作用はわずかであった。

これまで30年間にホジキンリンパ腫の新規治療薬の開発はほとんど進まなかった。したがって、このような結果は患者にたいへん期待を抱かせるものであると、試験責任医師のチーフであるテキサス大学M.D.アンダーソンがんセンターのDr. Anas Younes氏は述べた。「第1相試験の治療で大多数の患者に腫瘍縮小が認められたことは素晴らしいことだ」と彼は電子メールで述べた。

Seattle Genetics社によれば、同薬剤の同一の患者集団を対象とする第2相臨床試験の初回結果は第1相試験よりもずっと強力であるようだという。同社は9月末に、第2相試験に参加している、全例が再発性・難治性のホジキンリンパ腫患者102人の75%に客観的奏効が認められたと発表した。また、同社は10月上旬に、別のブレンツキシマブ第2相試験に参加しているALCL患者では中等度の奏効率が認められたのは86%であったと報告した。双方の試験に関するよりまとまった結果や詳細は12月上旬に開かれる米国血液学会の年次総会で発表される予定である。

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窪田 美穂 訳

林 正樹(血液・腫瘍内科/敬愛会中頭病院)監修

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