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多発性骨髄腫に低強度治療レジメンが有効

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多発性骨髄腫に低強度治療レジメンが有効

多発性骨髄腫に低強度治療レジメンが有効

Less-intensive Treatment Regimen Effective against Multiple Myeloma

(Posted: 09/23/2010) – Lancet Oncology誌2010年8月23日号電子版のスペインの報告によると、ボルテゾミブ(ベルケイド)を強度を弱めて投与した多発性骨髄腫患者では、効果を低減させずに有害な副作用を減少させた。

多発性骨髄腫に低強度治療レジメンが有効

NCIキャンサーブレティン2010年9月7日号参照

スペインの研究者らによると、多発性骨髄腫患者に対してボルテゾミブ(ベルケイド)を低強度(less-intensive)用量で投与したところ、治療の有効性が低下することなく有害な副反応が減少した。本試験はThe Lancet Oncology誌の電子版に8月23日付で報告され、ボルテゾミブを基としたレジメンで低強度な導入療法を行った後に維持治療を行うことは「多発性骨髄腫と初めて診断された高齢患者にとって安全かつ有効な治療法である」と結論づけられた。

ボルテゾミブは多くの多発性骨髄腫患者に有益である一方、本剤を服用する患者の一部では、末梢神経障害として知られる重度の神経痛を発現する。低強度での投与を検証するため、研究者らは患者260人を、導入療法としての低強度ボルテゾミブ+メルファラン+プレドニゾン(VMP)または低強度ボルテゾミブ+サリドマイド+プレドニゾン(VTP)にランダムに割り付け、その後最長3年間、それぞれの維持療法を実施した。いずれの導入レジメンでも第1サイクル以降は、ボルテゾミブを標準的な週に2回の投与スケジュールではなく週に1回投与した。

両方の低強度レジメンにて80%を超える寛解率が得られた。さらに、VTP群の36人(28%)およびVMP群の26人(20%)では完全寛解が認められた。より強度の高いボルテゾミブを用いた同様の試験(VISTA試験)では重度(grade 3以上)の末梢神経障害や胃腸症状の発現がみられたのに対し、本レジメンではその件数は少なかった。

付随論説にてメイヨークリニックのDr. Vincent Rajkumar氏は、「これは、臨床現場に直接に影響を与える点で、またボルテゾミブなどの新薬を全体的な治療戦略に効果的に導入する方法について重大な答えが得られた点で重要な試験である」と述べ、「本試験では新規患者を対象としたが、本所見は再発性または治療抵抗性の場合でも価値があるであろう」と付け加えた。

サラマンカ大学病院のDr. Maria-Victoria Mateos氏は、「本レジメンは、サリドマイドの代わりにレナリドミドを使用したり、また早期介入や予防措置を介して有害作用を減少させたりすれば、高齢の多発性骨髄腫患者に対し、最適な治療をさらに改良していくうえでの基盤となるであろう」と述べた。

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齊藤 芳子 訳

林 正樹(血液・腫瘍内科/敬愛会中頭病院) 監修

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