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予防的手術によりBRCA遺伝子変異を有する女性の癌リスクが低下

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予防的手術によりBRCA遺伝子変異を有する女性の癌リスクが低下

予防的手術によりBRCA遺伝子変異を有する女性の癌リスクが低下

For Women with BRCA Mutations, Prophylactic Surgery Reduces Cancer Risk 

 (Posted: 09/23/2010) – 遺伝性であるBRCA1およびBRCA2遺伝子変異を有する女性において、乳房と卵巣の予防的切除術は乳癌、卵巣癌リスクを下げるのに有効な方法であることが、この対照群でこれまで最も大規模な前向き試験で示された。

NCIキャンサーブレティン2010年9月7日号参照

BRCA1またはBRCA2の遺伝性変異を有する女性を対象とした、現在までで最大規模のプロスペクティブ試験の1つが行われ、予防的手術(乳房摘除および卵巣摘出術)はこれらの女性の乳癌および卵巣癌のリスクを低下させるのに有効な方法であると示された。JAMA9月1日号で発表されたこの知見では、疾患関連のBRCA1またはBRCA2遺伝子変異キャリアの癌および死亡リスクの低下に対する乳房摘除および卵管卵巣摘除術(卵巣および卵管の摘除)の有益性が評価された。これらの変異による乳癌発症の生涯リスクは56~84%を占める。

当研究結果では、突然変異がBRCA1またはBRCA2遺伝子のいずれで起こっているかどうか、または癌の既往歴があるかどうかに関係なくリスクの低下が起こるとも示された。欧州および北米の22の医療センターの研究者らは、疾患関連のBRCA1またはBRCA2変異を有する女性約2500人を追跡調査した。 該当女性のほぼ半数は1件の予防的手術を行っていた。

3年の追跡期間中、乳房切除術を受けた女性はいずれも乳癌を発症しなかったが、同手術を受けなかった女性の7%は乳癌と診断された。また6年の追跡期間中、リスク低下のための卵管卵巣摘除術を実施した女性では1%のみ卵巣癌を発症したのに対して、同手術を実施しなかった女性は6%が卵巣癌を発症した。

「この研究は遺伝子検査が有用であるとのメッセージを強化するものである」と本研究の統括著者であるペンシルベニア大学のDr. Timothy Rebbeck氏は述べた。遺伝的に高リスクの変異があると判っている女性たちは、適切な遺伝カウンセリングを受けるとともに、予防的手術によって癌リスクを低下させるための手段を講じることができると同氏は続けた。

多くの女性は予防的手術を選択するが、実施しない女性は多数いると本研究の著者らは述べた。本研究では該当する女性の10%のみが予防的乳房切除術を選択し、38%は卵管卵巣摘除術を選択した。「これらの遺伝子変異を有する女性たちに対して、われわれは命を救えると考えており、それは大切なメッセージである」と同氏は強調した。

JAMAの添付論説の著者らはこのメッセージに同意して、予防的手術の選択肢が変化し改善されてきたと述べた。例えば、腹腔鏡下卵管卵巣摘除術は比較的リスクの少ない方法であり外来治療で行うことができ、乳房切除(術)の新技術ではより自然な外見を形成するとカリフォルニア大学サンフランシスコ校Dr. Laura Esserman氏とノースウエスタン大学Dr. Virginia Kaklamani氏は記した。

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福田 素子訳

原 文堅(乳腺腫瘍科/四国がんセンター) 監修

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