リツキシマブとフルダラビンの併用療法によりCLL患者における長期寛解が得られる/オハイオ州立大学 | 海外がん医療情報リファレンス

リツキシマブとフルダラビンの併用療法によりCLL患者における長期寛解が得られる/オハイオ州立大学

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リツキシマブとフルダラビンの併用療法によりCLL患者における長期寛解が得られる/オハイオ州立大学


オハイオ州立大学
2011年2月24日

一部の慢性リンパ性白血病(CLL)患者において、分子標的薬である抗体医薬と化学療法薬という毒性の少ない併用療法によって長期寛解が得られることが新しい研究により示された。またこの長期寛解は、CLL患者の治療に用いられる3剤併用療法を行った後に頻繁にみられる骨髄異形成症候群および急性骨髄性白血病のリスク増大とは無関係であった。[pagebreak]オハイオ大学総合がんセンター、Arthur G. James Cancer Hospital and Richard J. Solove Research Institute(OSUCCC-James)の研究者らによる多施設研究により、分子標的薬のリツキシマブと化学療法薬のフルダラビンの併用療法を受けたCLL患者104人の治療成績が報告された。

約10年間の追跡調査の結果、患者の13%において7年以上の寛解が継続され、またCLL細胞に特定の遺伝的特徴がみられた患者では初回治療後に微小残存病変が認められた場合でも長期寛解が達成された。

「われわれの研究により、CLL患者にフルダラビンとリツキシマブを併用することで、二次的白血病のリスクを生じることなく10年以上の寛解が達成されることが示されました」と、D. Warren Brown Chair of Leukemia Researchの血液学部門の責任者で、内科、薬化学および獣医生物科学教授を務める試験責任医師のJohn Byrd医師は述べた。

「また、長期生存を予測する診断時の予後因子が同定されたことにより、どの患者がこのレジメンにより最も効果が得られるのか見極めることができるはずです」とByrd氏は付け加えた。

全ての患者は、臨床試験共同グループであるCancer and Leukemia Group B(CALGB)支援提供の全米臨床試験により治療を受けた。これらの所見はJournal of Clinical Oncology誌の電子版に報告された。

OSUCCC-Jamesの血液学研究者で筆頭著者のJennifer Woyach医師によると、フルダラビンとリツキシマブとの併用療法、あるいはフルダラビン、シクロホスファミドおよびリツキシマブとの併用療法は、CLL患者の治療法として最も使用頻度の高いレジメンであることから、これらの結果は重要であるという。

「この試験によって、2剤併用療法を行うことで多くの低リスク患者の予後は極めて良好であることが明らかになり、したがってシクロホスファミドを併用した場合に生じる毒性を回避することができます。また、病変が完全に消失していない場合でも長期寛解を達成することが可能であることが示めされました。これは低リスク患者における長期寛解には病変を完全に根絶する必要があるという従来の意見に対抗するものです。」

「重要なことは、フルダラビンとリツキシマブとの併用療法は3剤併用療法と異なり、CLL患者において治療に関連した急性白血病のリスクを増大させないことです」と、Woyach氏は述べた。「なぜなら、これらの悪性腫瘍は治療が困難であり、予後が非常に不良であるという理由から重要なのです。」

本研究はthe National Cancer Institute, the Leukemia and Lymphoma Society, the D. Warren Brown Foundation, the Karches Family Foundation, the Nash Family Foundation, the Peter J. Sharp Foundation and the Prince Family Foundationの資金提供を受けた。

本研究に参加した他の研究者は以下の通りである。
Amy S. Ruppert and Nyla A. Heerema at Ohio State University; Bercedis L. Peterson at Duke University; John G. Gribben at Queen Mary University of London, England; Vicki A. Morrison at University of Minnesota and Veterans Affairs Medical Center Minneapolis; Kanti R. Rai at North Shore-Long Island Jewish Medical System, New York; and Richard A. Larson at University of Chicago.

オハイオ州立大学総合がんセンター(OSUCCC)- Arthur G. James Cancer Hospital and Richard J. Solove Research Institute(http://cancer.osu.edu)は、米国国立癌研究所から指定を受けた米国内で40しかない総合がんセンターのうちの一つである。Jamesは、U.S. News & World Report誌によって米国内のトップにランク付けされており、オハイオ州立大学の癌プログラムの中で205床を有する成人患者治療部門である。OSUCCC-Jamesは、第1相臨床試験、第2相臨床試験を実施するために、NCIにより承認され、資金提供を受けた国内でたった7つのプログラムのうちの一つである。

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栃木和美 訳
吉原 哲 (血液内科・造血幹細胞移植/兵庫医科大学病院)監修
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原文

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