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高齢肺癌患者に対する多剤併用化学療法により生存期間が改善

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高齢肺癌患者に対する多剤併用化学療法により生存期間が改善

Chemotherapy Combo Improves Survival in Elderly Lung Cancer Patients (Posted: 06/23/2010) 進行した非小細胞肺癌(NSCLC)の高齢患者は、単剤よりも2剤併用化学療法によって生存期間が改善する可能性がある。

NCIキャンサーブレティン2010年06月15日掲載記事より(最新号日本語版はこちら

進行した非小細胞肺癌(NSCLC)の高齢患者は、単剤よりも2剤併用化学療法によって生存期間が改善する可能性があると、フランスの研究者らはASCO年次総会で報告した。この知見は、初めて厳密に高齢者だけを登録した肺癌臨床試験であり、70~89歳の451人の患者が登録した第3相臨床試験から得られた。この試験は、全生存期間が単剤療法(ゲムシタビン(ジェムザール)もしくはビノレルビン(ナベルビン))群よりも2剤併用化学療法(カルボプラチン(パラプラチン)とパクリタキセル(タキソール))群の方が4カ月以上改善することが中間分析で明らかになった時点で早期終了した。

無作為に2剤併用化学療法に割りつけられた患者は、単剤療法群の患者に比べて、全生存期間の改善に加えて無増悪生存期間が長く、奏効率も高かったと、この試験を主導したフランス、ストラスブルグ大学病院のDr.Elisabeth Quoix氏は報告した。この有効な結果は、喫煙者やより高齢者といった予後不良患者の大半の小集団においても認められたと、同氏は報道発表で説明した。

2005年にこの試験が始まった当時、ASCO臨床ガイドラインは、進行した高齢肺癌患者に対しての治療は単剤療法を推奨していたと、Quoix氏は指摘した。これらの新しい知見によって、「NSCLCの高齢患者に対して新しい治療の考え方」が確立されたと同氏は述べた。

全生存期間の中央値は、併用化学療法では10.4カ月、単剤療法では6.2カ月であった。1年生存率はそれぞれ45%、27%であった。しかし、併用化学療法では、白血球の危険な減少である好中球減少症がほぼ4倍に増えるなど、有害事象が増加した。

最近の研究によれば、進行した高齢肺癌患者の大半は化学療法を受けず、受けたとしても単剤療法だけの場合が多いと、メリーランド大学グリーンバウムがんセンターのDr.Martin Edelman氏は試験結果発表の全体会議で説明した。同氏は、選択された併用療法薬や投与スケジュールなど、試験計画にいくらかの懸念を示したが、この試験や他の臨床試験によって、高齢患者に対するプラチナ製剤を基本とした併用化学療法の有効性は支持されており、「日々の実践で変更改善すべきである」と述べた。

スローンケタリング記念がんセンター胸部腫瘍科部長のDr.Mark Kris氏は併用化学療法を支持し、「70歳以上の患者は、並存疾患や本人の希望などを考慮して、他の患者と同じように治療されるべきである」と述べた。

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野長瀬 祥兼 訳

小宮 武文(胸部内科医/NCI研究員・ハワード大学病院)監修

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