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一部の高齢女性では乳癌手術後の放射線治療は不要とみられる

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一部の高齢女性では乳癌手術後の放射線治療は不要とみられる

 Some Older Women Can Forgo Radiation after Breast Cancer Surgery (Posted: 06/22/2010) 米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会に先立ち公表された試験結果は第3相ランダム化臨床試験の知見によると、70歳以上の早期乳癌女性では、乳房温存手術+タモキシフェンに放射線治療を追加しても利益が得られなかった。

NCIキャンサーブレティン2010年06月01日掲載記事より(最新号日本語版はこちら

先週発表された第3相ランダム化臨床試験の知見によると、70歳以上の早期乳癌女性では、乳房温存手術+タモキシフェンに放射線治療を追加しても利益が得られなかった。米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会に先立ち5月20日に公表された試験結果は、「小さい癌を有す「高齢」女性では乳癌による死亡はきわめてまれな事象であることを示した」と筆頭著者であるマサチューセッツ総合病院(ボストン)のDr. Kevin Hughes氏は述べた。この試験は3つのNCI共同臨床試験グループ(CALGB、ECOG、RTOG)により実施された。

1994~1999年に636人の女性を試験に組み入れ、手術後に319人にはタモキシフェンの投与のみ、317人にはタモキシフェン+放射線治療を行った。全員が早期のエストロゲン受容体陽性(ER陽性)乳癌でリンパ節への転移はなかった。治療後10.5年間(中央値)にわたり追跡調査を実施した。

タモキシフェンに放射線治療を加えることにより、同側乳房での癌再発率は6%減少したが、全生存、乳癌特異的生存、癌転移、および再発による乳房切除の必要性に対しては影響が認められなかった。乳癌特異的10年生存率は、タモキシフェン単独投与の女性で98%、タモキシフェン+放射線治療の女性で96%であった。

「高齢女性は、リンパ節転移のないER陽性の小さい腫瘍を有することが多い。この試験はまさに実際の診療で確認するものであり、今後の診療を変化させる可能性を持っている」とASCOの会長Dr. Douglas Blayney氏は述べ、「多くの「高齢」女性は放射線治療の延期を選択する。医師がこの判断を支持する上で、この結果はわれわれに安心感を与えてくれる。医師の患者への提案が変化するかもしれない」と結論付けた。

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榎 真由 訳

原 文堅(乳腺腫瘍医/四国がんセンター)監修

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