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ニロチニブは慢性白血病の初期治療に有効かつ安全

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ニロチニブは慢性白血病の初期治療に有効かつ安全

Nilotinib Effective and Safe in Initial Treatment of Chronic Leukemia (Posted: 12/28/2009) 慢性期の慢性骨髄性白血病(CML)に対する一次治療としてのニロチニブ(タシグナ[Tasigna])とイマチニブメシル酸塩(グリベック)を検討する第3相試験の予備結果、ニロチニブが初期治療として有効かつ安全であることが米国血液学会(American Society of Hematology)の2009年度年次総会にて発表された。

NCIキャンサーブレティン2009年12月15日掲載記事より(最新号日本語版はこちら

慢性期の慢性骨髄性白血病(CML)に対する一次治療としてのニロチニブ(タシグナ[Tasigna])とイマチニブメシル酸塩(グリベック)を検討する第3相試験の予備結果によると、ニロチニブは本疾患に対する初期治療として有効かつ安全である。本知見は、米国血液学会(American Society of Hematology)の2009年度年次総会にて12月8日に発表された。

イマチニブは変異型タンパク質BCR-ABLを特に標的としていることから、抗癌剤開発者にとってモデルとなっていた。しかし、多くの患者が最終的に同薬に対する抵抗性を示したことから、イマチニブ抵抗性CMLを治療するためにニロチニブやダサチニブ(スプリセル)などの第2世代の標的治療薬が開発されるにいたった。

イタリアにあるトリノ大学のDr. Giuseppe Saglio氏率いる国際研究グループは、ENESTnd試験に患者846人を登録した。ニロチニブ300mg 1日2回投与群、ニロチニブ400mg 1日2回投与群またはイマチニブ400mg 1日1回投与群に参加者をランダムに割り付けた。

12カ月間追跡調査を行ったところ、いずれかの用量のニロチニブ投与を受けた患者では、イマチニブ投与患者と比較して、変異型BCR-ABLタンパク質を発現している白血球細胞が減少し、臨床検査で白血病細胞が検出されない(細胞遺伝学的完全寛解)可能性が高かった。ニロチニブ投与を受けた患者では、進行期への病勢進行が認められた症例は少なかった。

副作用の発現件数や副作用に因る投与中止率は両群間で同等であった。ニロチニブは心律動や心機能の問題を引き起こす可能性が知られているが、Saglio氏によると、心臓に関する重度の副作用はENESTnd試験ではこれまでに認められていない。試験責任医師らは、本試験がまだ進行中であると忠告しているが、報告者らは、最終的にニロチニブがCMLに対する標準的な一次治療薬としてイマチニブの代替となる可能性を示唆した。

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斉藤 芳子 訳

原 文堅(乳腺科/四国がんセンター) 監修

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