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高用量化学療法は急性骨髄性白血病(AML)患者の生存期間を延長する

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高用量化学療法は急性骨髄性白血病(AML)患者の生存期間を延長する

High Dose Chemotherapy Significantly Prolongs Survival for Patients with Acute Myeloid Leukemia(Posted: 11/17/2008) – 血液と骨髄の癌である急性骨髄性白血病(AML)で、未治療の16歳~60歳の患者における大規模なランダム化臨床試験の予備結果、初回治療として、流通している治療薬daunorubicin[ダウノルビシン]を高用量で投与を受けた患者は通常投与量の患者に比べて生存期間が長かった。[pagebreak]本試験(E1900、登録番号NCT00049517)を監督するデータモニタリング委員会は、この研究が全生存率の改善を表す主要評価項目を達成したため、最近の中間分析結果を公表するよう推奨した。本試験においては、60年代からAML向け化学療法の標準治療薬として使用されているara-C (シタラビン、cytarabine)を併用し、ダウノルビシンを高用量(治療の当初3日間の毎日、体表面積当たり投与量90mgつまり90mg/m²)投与した患者群の全生存期間の中央値が23.7カ月であったのに対し、ara-C併用で標準量(治療当初3日間の毎日45 mg/m²)のダウノルビシンを投与した患者群では15.1カ月だったことが確認された。この生存期間の違いは統計的に極めて有意な差であった。また重要なのは、本試験で観察された重篤な治療毒性の頻度が、ダウノルビシンの高用量治療群と標準量治療群との間で同程度であったことである。

「この大規模臨床試験での発見は、多くのAML患者に対する治療慣例を変え、予後を改善する可能性が高く、重要である」とECOGの白血病委員会議長でノースウエスタン大学フェインバーグ医学部、ロバートH・ルリー総合がんセンター(シカゴ)の薬学教授であるマーティン・トールマン医師は述べている。本試験の統括医師は、H・リー・モフィットがんセンター・研究所(フロリダ州タンパ)の薬学・腫瘍准教授で血液骨髄移植部副主任のヒューゴ・フェルナンデス医師である。

本研究の2004年12月から2008年9月までの期間に、これまで化学療法を受けたことのない、急性前骨髄球性白血病以外のAML患者633人が登録した。ara-C併用でダウノルビシン投与による初回導入化学療法を受ける患者を、高用量または標準量の2群に無作為に割り付けた。導入療法で完全寛解に達したと診断された患者は、次に追加的治療を受けた。2008年9月現在で、334人が次の地固め療法の段階に進んだ。

骨髄移植と末梢血幹細胞移植は、高用量の化学療法や放射線療法または両療法の併用によって破壊された幹細胞を再生する処置であり、AML患者の一般的治療法である。本試験では、予後不良の因子がある、または適合同胞ドナーがいる患者は、可能ならいつでも同種移植を実施した。標準量のダウノルビシン投与を受けた患者群は4.7%が同種造血幹細胞移植(HSCT)を受けた。一方、高用量のダウノルビシン投与を受けた患者群では5.7%が同種HSCTを受けた。本試験の結果に影響を与えるその後の化学療法や自家移植において、2群の間に違いはなかった。

ダウノルビシンはすでにAML治療薬としてFDAの認可を受けているため、この病気を持つ患者は、本試験の結果からすぐにも恩恵を受けられる可能性がある。「この試験は、NCI後援の腫瘍共同研究グループによってしか実施されない研究事情を示す典型例である。なぜなら、本試験で検証された薬剤はすでに30年以上もこの病気に対して一般的に使われており、すでに認可された製品を試験することに商業的なインセンティブがほとんどないからである。」とNCI癌治療診断部門部長のジェームズ・H・ドロショー医師は述べている。

米国では2008年に1万3290人がAMLと診断されると推定されている。ほとんどが成人であり、このうち半分は60歳以下である。全般的に、AML罹患者のうちこの病を克服するのは、わずか33%ほどで、年を取るにつれ生存率は低くなる。AML治療の前進は、大半が導入療法に対する初期応答をいかに増やせるかにかかっている。

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E1990:成人急性骨髄性白血病における第3相試験:リスク分類に基づく自家幹細胞移植前のダウノルビシン投与量増加。本試験の全プロトコルは本試験の全プロトコルはhttp://www.cancer.gov/clinicaltrials/search/view?cdrid=258113&version=healthprofessionalで参照できる。

 

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