2008/11/18号◆注目の臨床試験「進行性甲状腺癌に対する新薬」 | 海外がん医療情報リファレンス

2008/11/18号◆注目の臨床試験「進行性甲状腺癌に対する新薬」

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2008/11/18号◆注目の臨床試験「進行性甲状腺癌に対する新薬」

同号原文

NCI Cancer Bulletin2008年11月18日号(Volume 5 / Number 23)

日経「癌Experts」にもPDF掲載中~

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注目の臨床試験

進行性甲状腺癌に対する新薬

臨床試験名

手術不能な局所領域進行、骨髄転移、又は、分化型の甲状腺癌患者に対する17-N-Allylamino-17-Demethoxygeldanamycin(17-AAG)の第II相試験。試験プロトコルの概略は以下を参照のこと。http://www.cancer.gov/clinicaltrials/MAYO-MC0476

臨床試験責任医師

Jeffrey Moley医師、ワシントン大学(セントルイス) Robert Smallridge医師、メイヨークリニックがんセンター

この試験が重要な理由

濾胞性甲状腺癌や甲状腺乳頭癌など、甲状腺癌の多くは高分化型であり、進行が遅く、治癒率が高い。そしてしばしば甲状腺切除手術の前後に放射性同位体ヨウ素131を投与する。しかし、これら分化型腫瘍の中には、最終的にヨウ素を取り込むことを止め、悪性度を増し転移をするものがある。甲状腺髄様癌(MTC)は異なる甲状腺細胞から発生し、一般的に悪性度が高い。多くのMTC患者は、初回治療の後、再発や転移を経験する。

ヨウ素抵抗性の甲状腺分化癌や甲状腺髄様癌の多くの患者にとって、外科手術は唯一の治癒的治療である。しかし、患者の中には外科的切除が不可能な腫瘍である場合や、癌細胞が頸部リンパ節、又は、肺、肝臓、骨といった離れた臓器に広がっている場合がある。これらの患者には効果的な治療がなく、新たな治療法が必要とされている。

この第2相試験では、熱ショックタンパク90(HSP90)と呼ばれるタンパク質を標的とする抗腫瘍性抗生物質17-AAGによる治療効果を研究している。癌の増殖に関わる多くのタンパク質は、正しい機能的構造と細胞部位を獲得するのを助長する分子シャペロンと呼ばれるタンパク質ファミリーの1つであるHSP90を必要としている。細胞が制御不能に増殖するのを助けるHSP90は、通常細胞より癌細胞にしばしば多く存在する。甲状腺髄様癌、甲状腺乳頭癌、濾胞性甲状腺癌やその他の癌に関する研究室での実験では、17-AAGは、HSP90のシャペロン機能を阻害することで癌細胞の成長を抑制する効果があることが証明されていた。

「多くの甲状腺癌は非常にゆっくり進行し、生存率は15年以上と良好ですが、この試験は、悪性度が高く転移性癌を有する患者群を対象としてデザインされたものです」とMoley医師は述べた。「これらの患者は困難に直面しており、彼らが抱える窮状を救うために実践された試験は多くはありませんでした。」

問い合せ先

適格基準と試験の実施施設リストについては下記URLを参照するか、またはNCIの癌情報サービス1-800-4-CANCER(1-800-422-6237)まで。この電話はフリーダイヤルで、秘密は厳守されます。 http://www.cancer.gov/clinicaltrials/MAYO-MC0476

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Nogawa 訳

中村 光宏(医学放射線)監修

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