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2008/12/02号◆より大きなベネフィットを目指してCIPがハイリスクの研究を支援

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2008/12/02号◆より大きなベネフィットを目指してCIPがハイリスクの研究を支援

同号原文

NCI Cancer Bulletin2008年12月02日号(Volume 5 / Number 24)

日経「癌Experts」にもPDF掲載中~

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より大きなベネフィットを目指してCIPがハイリスクの研究を支援

NCIの癌画像診断技術プログラム(Cancer Imaging Program:CIP)で副主任を務めるDr. James Tatum氏は、「画像技術は、基礎研究から臨床診療まで幅広い分野で用いられている」と述べる。CIPは癌治療・診断部門(Division of Cancer Treatment and Diagnosis)の一部であり、最近では、400以上の助成プロジェクトに対して資金を提供している。

CIPが担う使命の一部は、商業的投資では非常にリスクが高いと考えられていた癌画像診断技術研究の分野を支援することである。CIPは画像診断技術開発グループ(Imaging Development Group)を介して、有望な新しい画像診断用薬剤の開発から早期臨床試験への導入に一役買っている。これらの新薬剤のうち、国内の臨床試験で使用されているものもあるが、その多くは計画段階にある。

CIPはこれらの画像診断用薬剤や他の有望な新しい薬剤の早期臨床試験を促進および改善するため、NCI支援の共同グループである米国放射線学会画像ネットワーク(American College of Radiology Imaging Network:ACRIN)と共に取り組んでいる。

ACRINは確立した画像診断技術に関する大規模試験(米国CTコロノグラフィー試験など)を実施したことでよく知られているが、CIPの支援を受けて早期多施設共同試験も実施している。こう説明するのは、ワシントン大学の放射線学教授でACRIN試験責任者のDr. David Mankoff氏である。ACRINの実験的画像科学委員会(Experimental Imaging Sciences Committee)を介して調整された小規模試験で検討中の薬剤としては、子宮頸癌の治療効果を判定するための64Cu-ATSMや脳腫瘍内の低酸素領域(酸素供給量の減少)をモニタリングするための18F-fluoromisonidazoleなどが挙げられる。

Mankoff氏によると、これらや他の画像診断用放射性同位体を使用する試験における大きな問題点は、「これらの薬剤の多くは、半減期が約2時間と非常に短いことである」。また同氏は、「1箇所でしかこれらを作製することができず、国内に輸送することは不可能であるため、流通ネットワークが必要である」と述べる。幸運なことに、FDG-PET画像の臨床的成功のおかげで商業的流通ネットワークができ、国内の試験実施施設に向けて取扱い困難なFDG同位体を作製して流通させることが可能になった。ACRINのためにも試験用薬剤を製造するよう、このネットワークのメンバーを説得するうえで、CIPは重要な存在である。

CIPは国内の最新画像診断研究施設に資金提供する役割も担っている。例えば、マサチューセッツ総合病院のDr. Gregory Sorensen氏らが命じて、国内で初めて複式MRI-PET装置を導入した施設などが挙げられる。

Sorensen氏によると、「現在、MRIからの高空間解像度および機能情報とPETから得られる代謝情報および受容体情報を組み合わせ、腫瘍内の低酸素領域、血管新生、(腫瘍の)代謝と治療効果との間の関連性についてより詳細に試験できるようになった」。氏は、複式MRI-PETに関する最初の臨床試験(CIPが資金を一部援助)を間もなく開始し、治療中の脳腫瘍患者をモニタリングする予定である。

画像診断技術を用いると、癌細胞内部の複雑な働きを画像化することも可能である。これを実現するために、CIPは8箇所の生体癌分子細胞イメージングセンター(in vivo Cancer Molecular Imaging Center)に資金提供し、癌に関連する細胞内画像および分子画像の研究を推進させようとしている。

Tatum氏は、「システム生物学の観点から癌を理解することは急務であり、想像し得る中で腫瘍生物学は最も複雑なシステムである。In vivoにおけるこれらの複雑なシステムの全容を理解する唯一の方法は、細胞レベルから患者レベルまでの解像度を有する最新画像診断法を用いて、このシステムを非侵襲的に観察および調べることである」と述べている。

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斉藤 芳子 訳

中村 光宏 (医学放射線)監修

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