2008/12/02号◆特集記事「薬剤開発を迅速化するクリニック」 | 海外がん医療情報リファレンス

2008/12/02号◆特集記事「薬剤開発を迅速化するクリニック」

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2008/12/02号◆特集記事「薬剤開発を迅速化するクリニック」

同号原文

NCI Cancer Bulletin2008年12月02日号(Volume 5 / Number 24)

日経「癌Experts」にもPDF掲載中~

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特集記事

薬剤開発を迅速化するクリニック

2009年1月にNCI(米国立癌研究所)が分子イメージング新クリニックを設置する。当施設は癌患者の体内での薬物動態を理解するための最先端の画像診断法を駆使する世界でも数少ない場の1つになるだろう。これらの研究によって、現在ある薬剤の最適な使用法を決定したり、臨床に導入されようとしている新たな分子標的薬の作用を検討したりすることができる。

「われわれの目標は、高度な画像診断技術で癌治療の開発を迅速に進める事です」とDr. Peter Choyke氏は述べた。同氏は現在NCIのCCR:Center for Cancer Research(癌研究センター)の『分子画像化プログラム(Molecular Imaging Program)』を指揮している。また彼は、画像専門研究者、化学および物理学研究者、エンジニア、腫瘍学者、分子生物学研究者など多分野の専門家チームを編成している。さらにこれらのメンバーにはNCI内外に多くの共同研究者がいる。

このNCIの新しいクリニックが開設された理由の一つは、国立衛生研究所(NIH)臨床センターでは既存の画像機器は患者の検査に必要であったために、トランスレーショナル研究に利用できる時間が十分なかったことである。分子標的治療が数年前に登場した時、NCIの職員は薬剤開発におけるイメージング(画像診断)研究の潜在的重要性に着目した。

「画像診断によって次の3つの重要な疑問を解くことができます」と、同氏は述べる。「患者に、特定薬剤の標的部位があるか?薬剤がその標的部位に到達しているか?到達しているならば、それが患者に有益となっているか?ということです」薬剤が目的部位に到達していないと画像で示される場合、研究者らはその薬剤やその送達方法を改良したり、その計画を中止することで大切な資源を他に費やすことができる。

新たな施設では大規模な革新を行っており、癌の検出や体内の薬を追跡するのにPETとCT画像を同時に捉えることのできるPET/CTや、3テスラの全身MRIを含む最新のスキャナーを備える予定である。

現在はトラスツズマブ(ハーセプチン)のような薬の作用を研究するイメージング研究を実施中である。実験的な造影剤も、小規模な第0相試験(患者は微量の試験薬を投与され、動物や細胞モデルに作用するようにヒトにも作用するか見極める)で検討される予定である。

多くの研究が、NCIの研究者ら、他施設、製薬企業、画像機器企業らで共同で行われる。NCIの癌治療・診断部門は本クリニックの開発において不可欠の役割を果たし、薬に付加される放射性物質などの重要な物質を提供している。

放射線で標識された薬は少量の投与なので生理的影響を及ぼさずに、治療量で投与された薬剤と同一の体内部位に行き着く。新規薬剤が標的部位に到達しているか、標的とは異なる(副)作用があるかをもとにして、研究者らは、最終的にその薬剤の開発を「継続」するか「中止」するかを決定することができる。

「われわれの使命は、カメラを利用したトランスレーショナル研究を行い、薬剤開発を迅速化することです」と新クリニックを率いるDr. Karen Kurdziel氏は語る。「創薬と研究を専門とした画像センターは数少ない。ここはわれわれに素晴らしい機会を与えてくれます。」

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M.F 訳

後藤 悌(国立がんセンター中央病院内科)監修

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