2008/12/16号◆注目の臨床試験「進行固形癌に対する標的治療」 | 海外がん医療情報リファレンス

2008/12/16号◆注目の臨床試験「進行固形癌に対する標的治療」

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2008/12/16号◆注目の臨床試験「進行固形癌に対する標的治療」

同号原文

NCI Cancer Bulletin2008年12月16日号(Volume 5 / Number 25)

日経BP「癌Experts」にもPDF掲載中~

今号が2008年最後の発行となります。来年度第1号2009年1月13日(日本語版は1週間後)からスタートします。

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注目の臨床試験

進行固形癌に対する標的治療

臨床試験名

転移性または切除不能な固形腫瘍を有する患者に対するダサチニブおよびベバシズマブの第I相部分的ランダム化試験。(CCCWFU-98308)。試験プロトコルの要旨は以下を参照のこと。 http://www.cancer.gov/clinicaltrials/NCI-09-C-0019

臨床試験責任医師

Elise Kohn医師(NCI癌研究センター)

この試験が重要な理由

病期が進行した固形癌患者の予後は不良のことが多い。再発が多く標準的治療に応答しなくなっているばかりか、癌が体内の他の部位に広がる(転移する)可能性も高い。

固形癌は新しい血管を形成(いわゆる血管新生)することで酸素と栄養を獲得して増殖し続ける。さまざまなタイプの腫瘍を治療するため、腫瘍の血管形成を阻害するように製作された薬剤(血管新生阻害剤)が多数開発されている。

血管新生阻害剤の1つであるベバシズマブ(アバスチン)は数種の固形癌治療に承認されている。過去の臨床試験でNCIの研究者らはベバシズマブと別の標的薬ソラフェニブとの併用について試みている。

それらの臨床試験では、特に卵巣癌患者で「部分寛解例、長期にわたる疾患の安定例が予想以上に多かった」とKohn氏は話した。一方でこの薬剤併用では多数の患者に副作用が見られた。これは、双方の薬剤がともに血管形成に関わる同一の細胞シグナル伝達経路を標的としているのが理由とみられる。

今回の臨床試験ではソラフェニブに代えてダサチニブを使用するよう改めた。ベバシズマブとダサチニブは異なる細胞シグナル伝達経路を標的としていることから、研究者らはこの組み合わせにより副作用が少なくなるものとみている。「毒性の相互作用をなくしつつ、前回同様の抗腫瘍効果を得られると考えています」とKohn氏は説明した。

研究者らは卵巣癌、腎細胞癌、消化管間質腫瘍、メラノーマのほか、外科的切除が不可能な癌もしくは標準治療に応答しない転移性癌の患者48人を登録する予定である。

問い合せ先

適格基準のリストおよび臨床試験に関する問い合わせは上記URLまたはNCIの臨床試験紹介所1-888-NCI-1937(1-888-624-1937)まで。電話はフリーダイヤル、秘密は厳守されます。

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橋本 仁 訳

九鬼 貴美(腎臓内科)監修

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