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2008/12/16号◆抗酸化物質は癌リスクを下げない-予防試験2件

  • 2008年12月23日

    同号原文

    NCI Cancer Bulletin2008年12月16日号(Volume 5 / Number 25)

    日経BP「癌Experts」にもPDF掲載中~

    今号が2008年最後の発行となります。来年度第1号2009年1月13日(日本語版は1週間後)からスタートします。

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    抗酸化物質は癌リスクを下げない-予防試験2件

    米国国立癌研究所(NCI)の資金援助を受け、35,000人を超える50歳以上の男性が参加したセレンおよびビタミンEの癌予防試験(SELECT)のデータが発表されたが、この中でセレンおよびビタミンEの一方または双方を補給しても前立腺癌を予防しないことが示された。また、統計学的に有意ではないものの、ビタミンEのみを補給した群で前立腺癌の症例が、セレンのみを補給した群で成人発症型糖尿病の症例がわずかに増加することがデータで示された。

    Physicians’ Health Study II という別の臨床試験では、14,600人を超える50歳以上の男性医師にビタミンE、ビタミンC、ビタミンEおよびCの両方、もしくはプラセボを10年以上摂取させる追跡調査を実施した。前立腺癌、結腸直腸癌、肺癌およびその他の癌の発生率はいずれの群も差がなかった。

    両試験の結果は12月9日付けJournal of the American Medical Association誌電子版に掲載された。イリノイ大学(シカゴ)のDr. Peter Gann氏は同記事に付随する論説で「医師は、前立腺癌の予防を目的としてセレンやビタミンEをはじめとする抗酸化物質の補給を患者に推奨すべきではない」と述べている。

     

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    橋本 仁 訳

    九鬼 貴美(腎臓内科) 監修

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