2010/04/20号AACR特集◆FDA最新情報 | 海外がん医療情報リファレンス

2010/04/20号AACR特集◆FDA最新情報

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

2010/04/20号AACR特集◆FDA最新情報

同号原文
NCI Cancer Bulletin2010年4月20日号(Volume 7 / Number 8)


日経BP「癌Experts」にもPDF掲載中〜

____________________

◇◆◇ FDA最新情報 ◇◆◇

・非小細胞肺癌に対する維持療法としてエルロチニブを承認
・放射線治療機器の承認手続き変更を発表
非小細胞肺癌に対する維持療法としてエルロチニブを承認

FDAは先週、白金製剤ベースの初回化学療法後に癌の進行が認められない非小細胞肺癌(NSCLC)患者の再発予防にエルロチニブ(タルセバ)を承認した。維持療法とは、肺癌では特に問題となる再発または進行することを待つよりは、薬剤の初回化学療法の奏効を即座にフル活用することを目的とする新たなアプローチである。

この承認は、約889人の進行NSCLC患者を対象に実施された国際共同第3相臨床試験であるSATURN試験の結果を基に行われた。同試験で患者には、一次治療として4サイクルの白金製剤をベースとする化学療法を投与した。癌が進行しなかった患者は、その後エルロチニブ投与群またはプラセボ投与群に無作為化された。エルロチニブを投与した患者では、1.2週の無増悪生存期間中央値の改善(11.1週間と比較して12.3週間)、全生存期間中央値で1カ月の改善(11カ月と比較して12カ月)が認められた。

EGFR(上皮成長因子)経路を標的とするエルロチニブは、化学療法を1コース以上施行後に転移した局所進行性または転移性NSCLCの治療に対し当初2004年に承認された。FDAの抗腫瘍薬諮問委員会(ODAC)は、2009年12月に12対1でこの承認事項一部変更申請を可決した

2009年12月のODAC諮問委員会の議長代理である、米国国立癌研究所の癌研究センターのDr. Wyndham Wilson氏は、エルロチニブのような治療薬が癌が進行する患者に有効であることが示された場合、早期維持環境において薬剤を使用することに単独の効果があることを臨床試験で示すことが研究者の義務である」と説明する。

「薬剤を投与されない対照群の患者において疾患が進行し始めたとき、エルロチニブ群への乗り換えを可能としない場合、維持療法群で認められた効果は、対象群の患者で投与されなかった治療薬が要因であり、要するに単なる薬剤の利用可能性によるものである。さらに重要なことは、疾患進行時に投与されるのと比較して維持療法として投与される際、薬剤の有用性が大きくなければ、維持療法群の多くの患者は必要以上の治療が行われ、血液凝固などの重大な副作用のリスクや治療上の不都合に曝されることになる」と、Wilson氏は述べた。

放射線治療機器の承認手続き変更を発表

FDAは直線加速器(癌治療用放射線発生装置)、放射線治療計画システム、および関連機器の製造業者宛4月8日付レターで、これらの製品は、必ずしも市場投入前の510(k)承認プロセスの一環である第三者審査の対象とはならないと通告した。510(k)承認プロセスでは、製造業者は、新規の製品が同種の承認済市販機器と同等以上に安全かつ有効であることを示すよう要求されている。

医療機器の510(k)第三者審査は、1997年のFDA近代化法で経費節減の方法として導入され、機器製造業者は、最終判断のみFDAに残して、連邦政府以外の認可された機関で承認申請の審査を受けることができる。最近になって、この手続きが甘すぎるのではないかと調査されてきた。

FDAは、第三者審査の制限など、「放射線治療機器の安全性と安全な使用法の向上のためにいくつか対策を取っている」と、医療機器・放射線保健センター長のDr. Jeffrey Shuren氏は4月8日のレターに記している。1999年12月31日から2010年2月18日までの間に、FDAは放射線治療機器に関する医療機器報告書(Medical Device Report)を1,182件受理したが、それらによって「設計上の欠陥や、安全対策の追加で軽減できたであろう使用上の誤りの結果生じたと思われる機器の問題が浮き彫りになった」と、Shuren氏は記す。

直線加速器はこれらの問題報告書の74%を占め、放射線治療計画システムが19%、陽子線治療機器と放射線治療シミュレータを含む関連機器が7%であった。合わせて362件の問題報告書がソフトウェアの問題に起因している。

FDAは放射線治療計画、医療用直線加速器、および関連機器に関する公開のワークショップ開催を計画している。新たな安全対策、安全と効果(なかでもソフトウェアについての)を適切に保証するための市場投入前試験の変更、ソフトウェア変更の市場投入前レビューなどが議論のテーマである。ワークショップ開催の日時は、米国政府官報(Federal Register)上に発表される。

******
湖月 みき、杉田 順吉 訳
林 正樹(血液・腫瘍内科医/敬愛会中頭病院) 平 栄(放射線腫瘍医/武蔵村山病院)監修

******

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

arrow_upward