スタチンは前立腺癌切除後の癌再発率低下と関連/デューク大学医療センター | 海外がん医療情報リファレンス

スタチンは前立腺癌切除後の癌再発率低下と関連/デューク大学医療センター

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スタチンは前立腺癌切除後の癌再発率低下と関連/デューク大学医療センター


デューク大学医療センター
2010年6月28日

デューク大学医療センターの研究者らによると、コレステロール値を低減するためスタチン系薬剤を服用している男性は、服用していない男性に比べ手術後の前立腺癌の再発が30%低くなる可能性がある。また、スタチンの投与量が多いほど再発リスクが低くなることも認められた。[pagebreak]本知見はCANCER誌に掲載された。

「この知見により、スタチンは前立腺癌の増殖や進行を遅らせることにおいて重要な役割を果たす可能性があることを示唆するエビデンスに新しい側面が加えられました」この研究の統括著者でデューク大学前立腺センターと米国ダーラム退役軍人医療センターの泌尿器科部のメンバーであるStephen Freedland医師はこう述べている。「先行試験からスタチンには抗癌作用があることが示されていますが、いつ投与すれば最適なのか、ましてやどのように作用するのかさえ完全には明らかにされていません」。

研究者らは、Shared Equal Access Regional Cancer Hospital(SEARCH)のデータベースに登録されている前立腺全摘出術を受けた男性1,319人の記録を検討した。手術時にスタチンを服用していた男性は18%(236人)であることがわかった。

研究者らは、「生化学的再発」として知られるPSA値のわずかな上昇を指標に、術後患者を追跡調査し再発率の評価を行った。生化学的再発までの経過時間は、これが疾患進行や死亡と関連しているため重要な臨床学的因子とされている。

304人にPSA上昇が認められたことがわかった。そのうち37人(16%)がスタチン使用者で、267人(25%)が使用していなかった。両群間のさまざまな臨床的・病理学的特徴を考慮すると、全体的に、スタチンの使用で生化学的再発の危険性が30%低減することがデータにより示された。

1日あたりシンバスチタン20mgと同用量のスタチンを服用している男性では再発の危険性が43%低減し、1日あたりシンバスチタン20mgよりも多く服用している男性では50%再発の危険性が低減した。シンバスチタン20mgより少ない容量であると、その効果は認められなかった。

スタチンを服用している男性と服用していない男性では、有意差が認められた。スタチン服用者は非服用者と比べ、白人である、年齢がより高い、体重がより重いという傾向があった。さらに服用者では診察時の臨床的ステージは低いものの、腫瘍固有の悪性度を示すグリソンスコアが高かった。

「本知見は興味深いものですが、アプローチには注意する必要があります」本研究の主著者でトロント大学の泌尿器科医であるRobert Hamilton医師はこう述べている。「例えば、私たちは調査した男性らの食事や運動、喫煙については調査していないのです。つまりこの再発リスクが低いという結果は、私たちが計測検出できなかった要因による可能性があり、スタチンだけの影響かどうか完全には明らかではないのです。しかし、本知見や他の研究を基に、スタチンが本当に前立腺癌の進行を遅らすのかどうかを検証するためには、適切な対照を置いたランダム化比較試験を行う時期に来たのだろうと感じています」。

本研究は以下の施設から資金援助を受けた。
Department of Defense, Prostate Cancer Research Program; the Department of Veterans Affairs, the National Institute of Health, the Georgia Cancer Coalition and the American Urological Association Foundation/Astellas Rising Star in Urology Award.

本研究に参加した研究者らは以下の通りである。
Lionel Banez of Duke; William Aronson, from UCLA and the Veterans Affairs Greater Los Angeles Healthcare System; Martha Terris, from UCLA and the Medical College of Georgia; Elizabeth Platz, from John Hopkins; Christopher Kane, from UC San Diego; Joseph Presti Jr., from Stanford and the Palo Alto Veterans Affairs Medical Center; and Christopher Amling, from the University of Alabama in Birmingham.

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山下裕子 訳
野長瀬祥兼(工学・医学)監修
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原文


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